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航空歴史館技術ノート掲載14/10/15

 

飛行機に黄色は似合わないか? 論争

    

2014/09/08

・ 飛行機に黄色は似合わない

 これは館山ヘリフェスティバルのポスターのデザインです。星が前面に浮き出てやや目障りだし、数の意味が不明なのを除けば、全体としてはよくできていると思います。H-60ヘリコプターにワンポイント展示としたらよかったですね。

 星が目障りなのは、明色(黄色)だからですが、このように黄色を安易に用いるのは考えものだと思うのです。

 それで思い出すのは、空自60周年記念塗装で黄色のイーグルを画いた小松のF-15です。金色のつもりではあっても、どうもしっくり来ないしあのデザインには賛同できません。

 それは、新田原で黄色を塗りたくったファントムで気持ちが悪くなったイメージを引きずっているからでしょう。支那では、黄色は皇帝の色とされています。結果とはいえ自衛隊がそれをまとうとは!

    
 
 以来、飛行機に黄色というのは軍民を問わず違和感があります。先だって取り上げたYS-11の国際デモ機も、黄色が不評で青に塗り替えた例がありますから、必ずしも私一人の感覚ではないようです。

 あなたは如何ですか?

 

2014/09/09

〇  飛行機に黄色は似合わない あなたは如何ですか?

  (1) 一高校生さんからメール 

 いつもヒコーキ雲を楽しく読んでいる高校生です。「飛行機に黄色は似合わない」について、一ヒコーキ好きとして意見を述べます。

 黄色を配した機体(というか部隊)って案外いろいろありますよね。いま思いついただけでも、旧ドイツ国防空軍、三沢のF-16(尾翼)、ジョリーロジャース(VF-84VF-103)のF-14など・・・。少なからず自分は今あげた3つは"悪くない"デザインだと思うのです。

 (新田原のF-4はちょっとどうかと思いますが・・・(笑))

 黄色が似合うかどうかというのは、機体の基本色と黄色を塗る場所(面積?)が多いに関係していると思います。黄色にすればカッコいい!とは言いませんが、とにかく黄色はダメ!という考え方はちょっと・・・と思ってしまいます。

 それと余計なひと言かもしれませんが、「支那では、黄色は皇帝の色とされています。結果とはいえ自衛隊がそれをまとうとは!」とありますが、ああいうのは某近隣諸国のイチャモンみたいでカッコ悪いというか、みっともないと思います。あくまで、高校生の戯言と聞き流してくれれば幸いです。

佐伯から : こういう反論が来るだろうと思っていました。一高校生さん、戯言と卑下する必要はありません。相手が誰であれ、自分の考えを堂々と伝えるのはとてもいいことです。少々反論させてもらうと、私は黄色がすべてダメといっているのではなく、安易に用いるのは考えものだと言っているのです。注意信号に採用されている色ですからね。でも、君の意見によってデザインを見る目の幅が広がります。ありがとうございました。

 

2014/09/10

〇 続々 飛行機に黄色は似合わない あなたは如何ですか?

  (2) まさひささんからメール 

 揚げ足を取るつもりはありませんが、航空自衛隊のT-6練習機は全面黄色ですね。また、英空軍のシーキング救難ヘリも全面黄塗装です。個人的には両機とも黄色が似合っていると思います。練習機や救難機であれば、視認性の高い黄色に塗るのも理に適っています。 「飛行機に黄色が似合」うか否かは、機種にもよりますし、デザインにもよるでしょう。これはどんなモノについても言えると思います。

 佐伯から : 繰り返しますが、私は黄色がすべてダメといっているのではなく、安易に用いるのは考えものだと言っているのです。注意信号に採用されている色ですからね。
 昔、旧広島空港ビル屋上に展示されたトレーニングイエローのT-6が銀色に再塗装されたことがありました。その理由等は調べていませんが、当時のヒコーキ雲48号に次のように書いています。(読みにくくてごめんなさい)
  


         

 T-6練習機は黄色の方がふさわしいと思っていたのでしょうね。     

 

2014/09/11

〇 続々々 飛行機に黄色は似合わない あなたは如何ですか?

  (3) 鳥人間さんからメール 

  航空機の塗装について私個人の考えですが、皆さんがおっしゃっている「黄色であっても機種や用途によっては可」との考えは賛成なのですが、佐伯さんが言われる「安易に用いることに疑問」に私も同感です。

 確かに訓練機や実験機、救難機であれば、目立つ派手な塗装が理に適っていることは間違いないでしょう。しかし問題はその塗装を戦闘航空団に所属する第一線の「戦闘機」に施してしまうことです。

 ご存知の通り、戦闘機の塗装は本来ローヴィジ性やカモフラージュ性が求められ、いかに敵の目を欺くかが重要となります。逆に派手な黄色を多用する理由は対外広報や隊員の士気高揚など目的があってのことだと思いますが、戦闘機である以上、もしこの瞬間に有事が発生した場合、たとえ塗装がそのままであったとしても戦闘に加わらなければならない、そういう機体であることを忘れているのではないかと私は危惧しています。黄色い戦闘機が戦闘空域に入ったら真っ先に敵のカモになってしまうことは容易に想像できますよね。

  もちろんすべての派手な特別塗装戦闘機が駄目だと言っているわけではありませんが、私も新田原の黄色いF−4戦闘機を見て以降、軍用機の行過ぎた特別塗装に違和感を感じるようになりました。以上、 鳥人間の独り言でした。

 佐伯から : ”もしこの瞬間に有事が発生した場合、たとえ塗装がそのままであったとしても戦闘に加わらなければならない”  そこまで言わなくてもという人もいるでしょうが、政党幹部の言葉じゃないが”常在戦場”の意識は必要でしょう。
 ”常在戦場”の意識が基地幹部にあれば、すくなくとも、↓のような、どうぞ見つけてくださいと言わんばかりの不思議な迷彩に部下の手間ひまを掛けさせることはしないでしょう。記念塗装は、センスのあるワンポイントが最良なのです。