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ヒコーキマニア人生録 掲載14/06/08

    

整備人の資質について 理科教育の原点

にばさん


・ 基本の確認ができない高校生

 以前、某私立高校へ飛行機の話をする機会がありました。話だけでなく、最後にゴム動力のA級ライトプレーンを製作し、講堂で、実際に飛ばしてみるという企画でした。

 模型飛行機など作ったことの無い生徒が殆どでした。高校生ですから、キットの中に造り方が書いてあるので、先ず、それをよく読んでから造り始めるように話し、こちらから造り方に関する説明はしませんでした。

 昔のゴム動力機の模型と違い、難しい翼端の竹ひごをろうそくで曲げる作業などは勿論ありません。アルミ製のリブを前後縁の竹ひごに、端を曲げて固定すれば主翼は簡単に完成します。コメタルなどを接着剤と糸で胴体の角材先端に取り付ける作業もありません。プラスチックの軸受けぶを先端に差し込むだけです。

 班ごとの作業でしたが、一番早く完成させたのは女生徒だけの班でした。

 驚いたことに、羽根に貼る薄紙の糊しろを考えずに、主翼の大きさに切り取ってしまった班があったことです。説明書には、糊しろのことは書いてあります。

・ 整備人の資質 

 この講座で質問として、飛行機を整備する人の資質が尋ねられました。
 「いろいろあるでしょうが、一言で言えば、真っ赤に錆びたチェーンの自転車に乗る様な人は駄目でしょう。」と答えました。

 なかには、キシキシ音がしながら平気で自転車に乗っている人も見かけます。異音がするのは異常があるからで、そういうことを無視している人の気が知れません。常識以前のことです。自転車が泣いているのが分からない人です。

 飛行機の整備は、先ず異常に気が付くことが第一でしょう。飛行機に限らずとも、可動部のある機械は潤滑が重要な問題であり、油切れは即故障に繋がります。昔混合ガソリンを使用している軽自動車にガソリンのみ給油して、エンジンが焼付いた事例がありました。最近は原付でも分離したオイルタンクがありますのでその手の失敗は無いようです。

 もともと整備は、メンテナンスで良好な状態を維持するために何をするかです。“機械ものは油さえくれておけば問題ない”と言われた時代もありました。

 機械と油の密接な関係は、昔は子供でもしっかり理解していたように思います。理科離れ以前の問題だと思うのは小生だけでしょうか。

 

 

その話に乗ります   佐伯邦昭

 中学生の吾輩が組立たライトプレーン

                   今は無用の長物になりつつある我が家の油さし

 



 

 

 

 

       

 

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