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航空歴史館 技術ノート

掲載22/10/02
追加

 


F-86F 燃料系統について

古谷俊郎(写真) / イガテック(文、図面) 

 

 F-86F 燃料系統の写真が古谷俊郎さんの投稿写真に入っており、興味深く、技術的にも内内容を残したいと思い技術ノートに記します。

撮影 1957~58頃 浜松基地 航空機燃料系統教材  古谷俊郎
   

 写真左下に 「航空機燃料系統 154万5800円 」 と記されています。


 左側に透明なタンクが設けられていますがこれはF-86Fの胴体内タンクの特徴であるU型をしています。 右側は左主翼の一部を模して作成されているように見えます。
 増槽は2本配置されています。 片側に2本ということは両方で4本となります。
 航空自衛隊で4本の増槽を付けているものを私は残念ながら写真でも見たことがないのですがF-86Fのマニュアルでは4本で運用できることを前提に書かれています。
 燃料系統教材は注意書きが英語で書かれているので 多分航空機製造メーカーから購入されたものと想像しますが、マニュアルを元に忠実に再現してあるのでしょう。
 尚、内側タンクに羽根が付いていますが、これは作業の都合で前後反対に付けているように見えますね。

 下記に燃料系統図の一部と増槽取り付け時のイラストを添付します。

F-86F TO 1F-86F-2 HANDBOOK MAINTENANCE INSTRACTIONより


F-86F TO 1F-86F-4 TECHNICAL MANUAL ILLASTRATED  PARTS BREAKDOWNより


 2022/10/03 高尾眞さんからのコメント

 『イガテック様はF-86の4本タンク姿見ておられないとのことですが、ブルーインパルスで F-86が現役時代は、確実に毎年1回、4本タンク姿が見られました。   当時ベース基地の浜松から、沖縄那覇基地への航空祭展開です。    掲載記事通り、200ガロンタンク、120ガロンタンク(テールフィン付き)装備で 浜松⇒新田原⇒那覇のルートだったと記憶しています。    私自身、名古屋での学生時代、狙いましたが一度も撮影成功せずでした。 確かに、一般部隊のF-86ではあまり聞きませんねぇ 』 高尾眞

 航空自衛隊でも長距離移動時には使用していたことがあったんですね。   増槽を4本搭載した写真が出てくることを期待したいですね。(イガテック)


 2022/10/04 山本晋介さんからのコメント

 『 4本タンクのF-86Fの写真は沖縄遠征時に必ずやっていた形態ですね。
 ブルーインパルス関連本には必ず掲載されているような写真ですが・・・、 なるほど、ヒコーキ雲では、ほとんど掲載されていませんね。 (その他のAAM搭載やら爆弾搭載など超レアな写真はたくさんあるのに!)
 そこでヒコーキ雲のF-86F全機情報の82-7847号機の写真を参照下さい。 1974年12月01日撮影のものです。 ちゃんと4本タンクの姿が写ってますよ。 』 山本晋介

撮影1974/12/01 那覇基地 濱野博司   クリックで拡大します。


 現役時代のF-86Fブルーインパルスを見たことがなく失礼しました。
 ブルーインパルスという大きなヒントで写真ファイルを探してみたら 未公開写真がありましたので紹介します。(イガテック)
 
 撮影1974/12/01 那覇基地 濱野博司


今回の前方からの写真で内側の増槽は通常塗装であることが判りますね。

 高尾さんから 『 空自F-86の4本タンク写真発見しました 航空ファン別冊F-86Sabre 昭和55年4月発行 149ページに、 モノクロですが#931の4本タンク装備写真が掲載されております。  探せばほかにもあるのではと思います。』 との追加連絡がありました。
 編集側で追加調査したら 世界の傑作機 No,107(1979/03)の30ページに 浜松基地で撮影された962号機の大きな写真が出ていました。(イガテック)