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航空歴史館 技術ノート

掲載14/04/25
追加14/04/27

 


航空燃料のオクタン価について パイパーJ3Cの場合

にがうり 

 感想を追加


パイパーJ3C-65 N6844Hの燃料表示 撮影2000/10 渋谷義夫 A3662-9から転記
   

 コンチネンタルA90エンジンは、wikipedia.Continental_O-200によれば1939年生産のA65が原形でA90は1947年から生産された古いエンジンで、当時の使用燃料は最低73オクタン価とあり、その後でも80/87オクタン価のAvgas(航空用ガス)が最低とあります。
    
 自動車用燃料のオクタン価も年代で規格が多少変わってますが、1960年代はレギュラーで85オクタン価以上でハイオクは95以上となってます。

なので,このA90エンジンは現代でもアブガスなら最適でも、メーカー(コンイチネンタル)マニュアルでは最低使用オクタン価を満たせば使用可能です。つまり現代自動車用燃料でも使用可能なのです。

 日本の自動車用は、レギュラーは90オクタン価(89以上)、ハイオクは100オクタン価(96以上)なので、A90は自動車用レギュラーで問題ありませんね。現に、2005年に金沢で不時着した イギリスのカブは、新潟空港で自動車用レギュラーガソリンを補給していました。(ただし、事故原因は燃料等級には関係なく、キャブレター・インレット・スクリーンの異物詰まりによるものでした)。
           事故調査報告書 パイパーJ3C-65G-KIRK


感想1 2014/04/26 大石治生

 アブガスの話題でオクタン価の話が出ておりますが、2005年に金沢空港で給油されたカブはバルブシートの無鉛化加工をされていたのでしょうか? 事故調査報告書 パイパーJ3C-65G-KIRK

 1960年代なら自動車用に有鉛ガソリンが当たり前のように有りましたが、確か1990年代後半には有鉛ハイオクはガソリンスタンドから消えてまい、有鉛仕様の自動車は給油時に添加剤(バルボリン等)を入れて凌いでいたと記憶してます。

 また、ジェット燃料についてもJP4JP5が在るため、機種に拠っては切替機構が付いており、燃焼カロリーの異なる両方の燃料を使えるようになっているのもあります。


新 感想2 2014/04/27 秋山

オクタン価の測定法には
  
リサーチ法
  
モーター法
  
航空法
  
過給法
があります。
 
wikipediaオクタン価書かれた自動車用ガソリンのオクタン価はリサーチ法によるものです。また、80/87オクタンのAVガスですが、この価は80(航空法)/87(過給法)ではないでしょうか。
 
 
市販のハイオク(プレミアム)ガソリンのオクタン価はリサーチ法では99-100程度とされていますが、モーター法では87-88程度です。レギュラーガソリンは同様に、90-91(リサーチ法)、81-83(モーター法)程度です。
 
ですから、アンチノックインデックスは、ハイオク:93-94、レギュラー:85.5-87になります。お示しの写真からすると、自動車用無鉛ガソリンはアンチノックインデックス87が要求されますから、レギュラーガソリンですと不可になる場合があります。
 
件の事故調査委員会報告によると、事故機は空港で自動車用ガソリンを補給していますから、自動車用レギュラーガソリンといいながら、特にオクタン価の高いものが製油所→空港に供給されていたのかもしれませんね。