日本航空輸送鰍ニ大日本航空鰍フ旅客機本論 TOP

航空歴史館 掲載13/01/27
追加13/08/31

日本航空輸送鰍ニ大日本航空鰍フ旅客機
    
The Japanese civil transport before 1945

付 録 

ローグヒード・ロックヒード・ロッキード ?

       Which is the rightest among Loughheed, Lock-heed or Lockheed ?

 

ローグヒード(Loughheed)かロックヒード(Lock-heed)かロッキード(Lockheed)

日本航空輸送のスーパーエレクトラ絵はがきのロックヒードロッキード

日 本 航 空 輸 送 株 式 会 社 旅 客 機
ロ ッ ク ヒ ー ド 1 4 WG - 3 型 1 1 人
 
ロ ッ キ ー ド F 14 W G 3 型  旅 客 機 (Lockheed 14WG3)
ライト・サイクロン875馬力2台・ 巡航速力325粁/時・旅客席10名・乗務員4名

1936(昭和11)年発行 日本航空輸送50年史 現有機集から

 このように、ロッキードF-14スーパーエレクトラの機体説明に「ロックヒード」「ロッキード」の二種類があり、例えば、ロッキード事件の被告人となった大久保利春氏が「ロックヒード」と言っていたのを思い出すというようなメールを頂きました。

 また、LockheedはもともとLoughheadなので、「ロックヒード」ならぬ「ローグヒード」とした雑誌もあります。

 なるほど、Lockheed Aircraft Coの前身は、1916年にAllan LougheadとMalcolm Loughheadの兄弟が設立したLoughhead Aircraft Manufacturing Coです。

 ちょっとややこしいですが、1926年に新会社とした際に綴りをLoughheadからLockheedにしたのは、音声発音にマッチさせるためだという説( 世界の航空機1952年7月号ロッキード40年史)があります。

 (Lockheed Aircraft Coの傍系としてLoughheed Aircraftという会社もあるそうです )

 日本でロッキード機が一般化するのは、毎日新聞社が1932(昭和7)年に輸入したロッキード アルテア通信機あたりからですから、既にLockheedが定着しております。それを「ロックヒード」と読むか「ロッキード」と読むかは、古い書籍では圧倒的に「ロックヒード」が多いですが、 絵はがきと同じように「ロッキード」としているものも、稀にはありました。

 古い順にピックアップしてみます。

(A) 航空知識 1936(昭和11)年8月号 ロッキードと表示


(B) 航空事典 1938(昭和13)年発行 表題はロックヒード、図の説明はロッキードと混用

(C) 朝日航空講座上巻 1939(昭和14)年発行 航空局企画課長荒木万寿夫筆「民間航空」

 図はロックヒード、文章の中ではロックヒードロッキードを混用

(D) 世界の航空機 1957(昭和32)年7月号ロッキード変遷史 解説野沢 正 
ロッキード
ローグヒードを混用

 

 こんな具合です。戦後においても(D)のように、同じページの同じ初飛行の機体 について社名が違うというようなことですから、(B)や(C)に見られる戦前はてんでんばらばらな感じです。

 航空局企画課長までもが(部下の執筆でしょうが)平気で二つの呼称を使い、編集した朝日新聞社も気が付いていないというところに、名称への極めてずさんな対応を見るような気がします。

小山澄人さんから

 「機体の呼び方」というのは結構面白くて、関係者が実際のところ、どう呼んでいたのかというのはなかなか書き物には残らないので、直接経験者に聞いてみるしかないというのがあります。

 組織によってまちまちだったりするのは普通なのですが、例えばボーイング777でも
 ・ ナナナナナナ
 ・ トリプルセブン
 製造関係でボーイングと直接仕事をしてきた人は、トリプルセブンと呼ぶ人が多いような感じです。

 BK117は「イチイチナナ」でなく「ビーケー」と呼ぶのが圧倒的に多いです。F−15の場合は空自の人は、「ジュウゴ」ないし「イーグル」と呼ぶことが多いと聞いています。

 さて、話題のLockheadですが、戦時中に各務原の川崎航空機では、スーパーエレクトラを改設計したキ56・一式貨物輸送機を作っていたわけですが、メーカーの場合は大抵はキ番号で呼ばれることが多いのですが、この機体の現場の呼び方は「キゴジュウロク」でも「イッシキカモツ」でもなく、「ロックヒード」だったと、当時製造に関わっていた方から聞きました。ただし、これは川崎航空機従業員の間での話であり、航空廠や部隊ではどう呼ばれていたのかは分かりませんが。

門上俊夫さんから 

 Revolution in the Sky より
 1919年のロッキード社の広告   LOUGHEAD AIRCRAFT MFG. CO. の文字の上に pronounced LOCK-HEED とわざわざフリガナを付けています。 「ロックヒード」 と読めと言うことでしょう。スコッチ アイル系の名前のようですが、珍しいので人々が正しく読んでくれなかったのでしょう。
 なかには、ROCKHEAD ( ロックヘッド)と読む人がいて、気にしていたようです。自分でも LOUGHEED と書いたりしていたようです。
 1921年ころ会社を閉じて自動車関係の仕事に就いていましたが、出資してくれる人が現われて1926年12月に再び会社を興した時はLOCKHEED AIRCRAHT CO.という社名にしたのです。その半年後、リンドバーグの大西洋横断飛行で航空ブームが沸きあがり、Vega Orion Sirius などと単発高速機を売りまくって会社の基礎を作ったのでしょう。

 

日本での広告例    1953

航空情報1953年11月号第4表紙

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にばさんから提供

要は、L-o-c-k-h-e-e-d ロックヒードと呼んでくれえ! ということですね。

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