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図書室3  掲載2003/11/08 評者 佐伯邦昭

 

       
          日本語版表紙(B5版85ページ)
 

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監修 東京国立文化財研究所

発行 オフィス HANS
     東京都渋谷区広尾2-9-39 TEL03-3400-9611
     E-mail ofc5hans@m09.alpha-net.ne.jp

 日本語版 定価2200円税別 送料と振込み手数料は無料

 



上は日本語版 下は英語版

書評

 東京国立文化財研究所(現在は独立行政法人文化財研究所  東京文化財研究所)は、古代遺跡や重要美術品の保存修復でよく知られていますが、平成12年度からは近代の文化遺産の保存修復の調査研究に乗り出し、最初の対象分野として航空機が取り上げられたのだそうです。独立行政法人に変わってからどうなるのか不明ですが、日本でもやっと国レベルで航空機の保存修復が考えられるようになってきたということで意義があると思います。

 この本は、同研究所の修復技術部が二度にわたって行ったシンポジュウムの発表を中心にして編集されたもので、ホームについて日本で初めてのまとまった文献であり、おなじみのロバート ミケシュさんの論文をはじめ世界的なレベルで現状を概観することができます。

 


 人間の想像力の産物という観点から、私は文化的に有意義だとみなせる日本の航空技術の成果として、以下の機体を取り上げたい。それらが如何に価値の高いものであるかの証明は、いくつかの機種がまだ日本に存在しているという事実で十分だろう。二式飛行艇 零式艦上戦闘機 桜花 疾風 飛燕 彗星 紫電改

 これはミケシュさんが文化財としての航空機−日本の航空機の技術的特徴の中で延べているものですが、外国人からこのように言われなければならないわが国の現状は、腹立たしくもあるし、何とか遅れを取り戻さなくてはという焦りを感じます。

 広く読んでいただいて、国がこの分野にもっともっと予算をつけるように、また、各地の保存運動団体や博物館、そして防衛庁など関係省庁と自治体が横の連携を深めてもらうように雰囲気を盛り上げていきたいものと思います。

日本版目次
二式大艇」保存の記録 小堀 信幸
スミソニアン航空宇宙博物館の航空機修復 ロバート・C・ミケシュ
ポール・E・ガーバー施設と航空機,宇宙船の保存修復 アン・マッコム
晴嵐」の保存と修復 ロバート・マクレーン
オランダ空軍博物館のコレクションと国際協力 セバスチャン・クリューガー
ドイツの歴史的航空機の保存復元と展示 ホルガー・スタインレ
グラーデ式単葉機のレプリカ製作 早川 博康
国立科学博物館の航空機保存 鈴木 一義
文化財としての航空機−日本の航空機の技術的特徴 ロバート・C・ミケシュ
旧日本軍機を保存する施設  

 

英語版 Conservation of Japan's Aircraft

日本語版の英訳及び次の2論文を付加

Conservation of Aircraft in Japan as We See It Now  by Nagasima Hiroyuki

Present Condition of the Conservation and Restoration of Aircraft   by Yokoyama Shintaro

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