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図書室66 掲載2013/03/04
追加2013/03/13

AIR WORLD エアワールド誌の終焉 金太郎飴の【総合航空誌】から脱落 

佐伯邦昭    

  

        
             

            
                          ・ 敢えて無断転載いたします
            ・ 電子書籍というのは言い訳?
            ・ 金太郎飴の【総合航空誌】から脱落
            ・ 編集者のヒコーキマニア度が売れ行きを左右する
            ・ 人手不足と時間不足が低下のスパイラル
            ・ 一社への肩入れ
            ・ 阿曽源彦さん ご苦労さまでした
            ・ 航空ファンと航空情報の将来
             ・ 皆さんの感想

・ 敢えて無断転載いたします

 -無断転載を禁じます- とあるのを承知でエアワールド誌2013年3月号の編集後記と奥付を転載しました。航空史を追求するインターネット航空雑誌ヒコーキ雲の使命のひとつとして是非とも取り上げておきたいからです。


・ 電子書籍というのは言い訳?

  編集後記に雑誌形態での販売をこの3月号をもって終了するとあります。3月から電子書籍の形態で発行するそうです。
 電子書籍というのは、我がインターネット航空雑誌ヒコーキ雲を有料化するようなもので、ライバルが現れるのかいなと苦笑を禁じ得ません。 それが時代の流れかもしれませんが、航空雑誌の主要テーマを占めるニュースとか航空史とかは、ネット世界では、タダで豊富に見られます。そんな環境下でエアワールドの読者が果たして有料の電子書籍にシフトしてくれるのでしょうか。
 ネットで検索すると、”エアワールド休刊をめぐるライター話”というのがでてきて、裏話が暴露されていますが、「電子書籍エアワールド」そのものは見当たりません。失礼ながら廃刊の言い訳に過ぎないのかなと思ったりします。


・ 金太郎飴の【総合航空誌】から脱落

  民間旅客機や軍事航空や模型専門の月刊誌を除く分野の航空雑誌を【総合航空誌】と位置づけますと、この60年の間に「世界の航空機」「航空マガジン」「航空ジャーナル」がつぶれて、残る「航空ファン」「航空情報」「エアワールド」の3誌から今回「エアワールド」が脱落しました。

 「エアワールドが危ない」という噂は何年も前から地方にも流れていました。そうかなという思いは、【総合航空誌】の金太郎飴のような編集方針の中で輝きを失いつつあったからです。【総合航空誌】の基本的なスタイルを確立したのは1960年代の航空情報であり、そこで鍛えられた有能な編集者たちが酣燈社を去って航空ジャーナルやエアワールドを創刊し、新たなスタイルに挑戦してみたものの、やはり航空情報的なものに還らざるを得ず、金太郎飴の並立で魅力を失った結果ではないでしょうか。


・ 編集者のヒコーキマニア度が売れ行きを左右する

 憶測にすぎませんが【総合航空誌】を購入する層の多くは年齢を問わずヒコーキマニアと呼ばれる人々でしょう。だから、売ろうとすれば、ヒコーキマニアの心理などをよく勉強しなければなりません。もちろん、大企業や防衛省などのお眼鏡にかなうためには、高度の航空経験を有する編集者も必要でしょうが、彼らにマニアの心理を読ませるのはどだい無理な話です。
 いわんや、航空のド素人を出版業に詳しいという経歴だけで【総合航空誌】の編集人に充てれば、その先は言わずと知れています。【総合航空誌】は航空専門家と出版専門家だけでは成り立たないのです。

 かって、航空情報凋落の頃から航空ファン誌が抜きんでてきたのは、ヒコーキマニアの心理を的確に理解する編集室があり、その一貫した姿勢に賛同する専門家やマニアから優れた執筆者や写真家や投稿者を育ててきたからでありましょう。


・ 人手不足と時間不足が低下のスパイラル

 エアワールドの最終3月号で、編集員が自ら取材し記事にした数本のグラビアと記事を拝見し、その落第生並みの文章には驚きました。
 素材がとてもいいので惜しいことです。私に時間を掛けて整理させてくれたらあの半分の文字数で的確かつ読みやすい文章にしてみせますよ。

 これは編集長の責任です。ゆっくり読んで推敲し、書き直させ、編集会議で議論するという人手と時間を掛けるべきなのです。もちろんそんな余裕は無く、悪いと分りながら目をつむって印刷に出したのでしょう。
 商品を売る側において、これほど消費者を馬鹿にした行為は許されませんね。読者が次第に離れていくのは当たり前でしょう。売れないから人を増やせない、ますます内容が悪くなる、エアワールドはこのスパイラルに陥ったに違いありません。金太郎飴から脱落していく大きな理由の一つです。


・ 一社への肩入れ

 最終3月号のグラビアに「JATジンベエジェット」「JALドラえもんジェット」「JAL国際線 777-300」「JALグループ新制服」と4本の日航関係が7ページを占めています。対する国内各社の記事は、国内ニュースの中に「ANA、羽田〜岩国線を就航」という小さな囲み記事があるだけです。

 創刊号以来ずっと広告を出して後援してくれた日航へ仁義を切る気持ちが分らないではありません。でも、こう極端になってくると平衡感覚を失っていると言わざるをえません。 


・ 阿曽源彦さん ご苦労さまでした

 以上、随分手厳しく書いて参りましたが、阿曽源彦さんには1977(昭和52)年の株式会社エアワールド設立以来7年間、本当にご苦労様でしたと申し上げます。初代編集長の大谷内一夫さんに匹敵する人材を後々得ていたなら、と 言っても栓ないことですが、しかし、連綿と続いてきた記事や写真に関しましては、航空史を調べる者にとって宝庫になっています。それを申し上げて、ご苦労に報いたいと存じます。


・ 航空ファンと航空情報の将来

 残る【総合航空誌】は航空ファンと航空情報の2誌になりました。広島市内の大手書店の紀伊国屋、ジュンク堂、MARUZENを覗いてみると航空ファンは必ずありますが、航空情報はあったり無かったりという状況で、一応、航空ファンの勝利が続いています。

 1950年代の経済学では、寡占化が一層の寡占化を招くというのが定説で、その例として圧倒的なシェアを占めるキリンビールが揺らぐことはなく、サッポロと朝日が追い付くことは無いだろうというのが挙げられていました。ところが、朝日ビールがアサヒドライで乾坤一擲の勝負に出たら、見事にこの定説がひっくり返りました。

 航空ファンが寡占化状態にあるとまでは言いませんが、航空情報の苦戦はその誌面から大よその察しがつきます。航空情報に育てられた世代として「お前もか」と嘆かせないようにしてほしいです。その対策は、一にも二にも買って貰える、書店に置いて貰える本づくり、つまり、読者の興味を惹き信頼をかちとる誌面づくりでしょう。編集室の人手が足りないなら知識豊富なマニアに頼むなどいくらでも方法はあると思います。

 ひるがえって航空ファンが安泰かというと、既に名編集長の域に達している三井一郎さんの時代がいつまでも続くことはないし、雑誌以外の分野にいろいろと手を出しているのが本業に支障をきたす恐れだってあるでしょう。

 いずれにしても【総合航空誌】の火が消えることがないように、両社切磋琢磨して、新しい航空史を切り拓いてください。 それが航空ジャーナルやエアワールドの遺言であります。

 

〇  エアワールド誌の終焉    感想

 もう旧聞に属しますが、総合航空誌のエアワールドが印刷販売を終了し、電子書籍に移行すると発表しました。何年も前からエアワールドの危機を耳にし、置いてない書店が多かったので遂に来るべきものが来たのかという感慨を覚えます。

 実は、先月の24日に広島駅前の書店でエアワールド3月号を見付けたのです。

 なぜ、この号に限って仕入れていたのか、1月後半の発売から1箇月たっているのに、なぜ返本もされずに残っていたのか?
 それは私に読めと勧める天命のような気がしました。航空ファン4月号やイカロス出版の各誌の影にあって、1冊だけ私を招いていたのです。

 航空雑誌が航空の普及に果たしている役割は言うまでもありません。航空史のなかで雑誌の歴史も特筆大書されなければならず、ヒコーキ雲上でたびたび取り上げてきました。エアワールドが事実上の廃刊に至った経緯と理由、あるいは37年間にわたる航空普及への貢献も、航空史の一端として明らかにしておく必要がありましょう。

 総合航空誌の編集を金太郎飴の如しと言っては、各編集者は面白くないでしょうが、かっての航空情報全盛時代の基本的スタイルは今も変わっていません。その中から、また1誌が脱落し、残る2誌の運命や如何に!というところです。
 その辺りを佐伯流の見方で論じてみました。特に、昔からの総合航空誌の愛読者さんにご精読いただき、ご感想を聞きたいです。

皆さんの感想

Aさんから 
 まさにそのとおりですね。同感です。ただJwingの記述がなかったのが気になりました。

Bさんから 
 
なかなか良い講評だと思います。民間航空機は経済的効率化のため機種が少なくなってきていて新しい情報も少なくなり、軍用機については色々な情報がネットで得られる中、紙面を構成して販売益をだすのは大変だと思います。何でもネット化していくのはアナログ人間には面白くありません。もっと言うと耐えられません。でもしょうがないかと・・・

Cさんから 
 
佐伯節が冴え各航空雑誌の特長がよく出ていますね。栄華盛衰は世のならいですが、航空雑誌界で言えば小さなパイを食い合い、有能な編集記者争奪戦もある過激な世界です。

Dさんから  
   エアワ−ルド廃刊の件は初めて知りました。冗談半分によく続くねなどと話していたことが本当になってしまい残念です。ただエアワ−ルド誌は強力なスポンサーもなく今までよくやっていたと思うほうが現在の心境です。写真等の投稿者への原稿料の支払いはほとんどなくネット時代には生き残るすべを失った結果と思います。電子書籍として生き残りを図るようですが、長続きしないように思います。オランダのScramble http://www.scramblemagazine.nl/index.htmlのようなWEBと書籍の両立ができるほど素材、能力、技量があるとは思えません。
 佐伯さんには、イカロスの出す本のようにそれぞれの分野別の本との言及も欲しかったです。ただし、真実をついた評論であり納得できるところは多々あります。

Eさんから   
  客観的に見て数少ない航空雑誌が一つ消えていくのは寂しい気がします。エアワールド誌が航空普及に一定の役割を果たしたことは有意義であったでしょうが、読者あっての雑誌なので購読者の気持ちがつかめていけなかったのが敗因でしょうか。

Fさんから
 周囲の人に聞いても廃刊を全然知りませんでした。それだけ買われていなかったということでしょうし、二世代くらい前の熱心なマニアに相当する本物のマニアが少なくなっているのも原因でしょう。

佐伯から : 皆さんありがとうございました。
 イカロスの月刊エアラインと
Jwingにも言及してほしいというご意見については、両誌が現用の旅客機と軍用機に特化しているので【総合航空誌】の枠の中に入れていません。ただ、両誌が旅客機を指向するマニアと軍用機を指向するマニアの心をそれぞれうまく掴んで編集しており、一般の人がイカロスを選ぶ度合いが大きいことは容易に想像できます。【総合航空誌】が食われていることは確かでしょう。
 エアワールドの
廃刊を初めて知った人が多いですね。鉄道の本があふれている中で肩身の狭い航空書籍のこれが現実です。正面から受け止めてください。
 先日、名古屋の東海道本線をSLが走った時の大勢の人々の興奮を見ましたが、一方で、航空祭や空の日行事にも何万という人が押しかけているのです。テツ屋に対するヒコーキ屋も決して負けてはいない、だから悲観する必要は
ないと思うのです。ともに考えましょう。
 ここには書きませんが、
二つの【総合航空誌】の編集部からも感想のメールが来ました。それを読んで私が言えることは、どんどん意見を送ってあげてほしいということです。買ってくれさえすればいい、意見は聞くが俺たちはプロなんだという狭い了見の人はおりませんよ。
 もうひとつ佐伯節を‥‥ 学校教育で軍用機を含む日本の航空史を正しく教えること、理科物理で飛行の原理と航空機発展を詳しく教えること、これが基本中の基本であると声を大々にして要求いたします。 


Gさんから 
 高校生のころ、「世界の航空機」のコンソリデーテット ヴァルティに始まる会社別歴史写真集を見て、この世界にはまり込みました。見たことは勿論、聞いたこともない飛行機が続々と載っていて感動しました。わくわくしながらページを繰り、インクの匂いも嬉しくて、次月号が早く出ないかと待ち遠しかったです。
 しかし、年を取ると感動する心が薄れてきました。その後30年ぐらいは惰性で買っていたような気がします。  
 1980年ごろからはあまり買わなくなりました。自分でもこれといった理由は分かりません。忙しさもあってか殆んど読まないうちになおし込み、全部を読まないうちに寿命を心配しなければなりません。また、置き場所にも困ります。ゴミ屋敷になるから、1冊買ったら、1冊捨てろと命令されます。
 高齢の皆さんはどうされているでしょうか。

Hさんから 
 
オブラートに包まれている感はありますが、佐伯さんが言いたいことは、十分伝わってきました。『航空情報』も、あと何年、持つことやら。ただ、時代の流れ。10年後にどうなるかは、分かりません。ひとつ嬉しいことは、ここ半年ほど、『航空ファン』の読者欄への投稿があること。先月号は、2つもありました。 あそが活発になるのは、ある種のバロメーターになるのではないでしょうか。

佐伯から :  Hさんの読者欄バロメーター説、私は航空情報の西尾編集長へも活字は小さくてもいいから読者欄と編集後記を復活するように強く提案しています。両方とも読者と編集者の顔が見えてきて双方向性が高まるからです。この日替わりメモがインターネット航空雑誌ヒコーキ雲のアクセスアップに一定の役割を果たしているように。
 Gさんのゴミ屋敷説は身につまされます。古本屋へ持っていけば情けないほどの二束三文、ネットの競売に出しても殆んど買い手がつかないですから、泣く泣くゴミにしてしまわざるを得ない、資源としてもったいない以上に、その中身の価値を世間が知ってくれない焦りみたいなものを感じますね。(航空雑誌だけでなく、あらゆる書籍についての経験です)

 

Jさんから 
 掲題の件、びっくりです。とは言え、多くの方と同様に、エアワールドは長らく店頭でも見ていませんでしたから(私の利用する書店には”航空情報”もない時がありますが) 来るべき時が来たというところでしょうか。かつて、航空情報、航空ジャーナル、航空ファンの3誌を定期購読していたのですが、まず「ジャーナル」が抜け、2年前には経済的制限から「情報」を自ら切り、今は「ファン」のみとなっています。一端のマニアであれば、この選択もまた、まあまあ順当な帰結ではないかと思っています。
 エアワールドは電子書籍化するということですが、どう頑張っても”ヒコーキ雲”以上にはデジタル対応出来ないアナログ人間である私にとっては、いきなり電子化と言われてもついて行けず、これで永遠にエアワールドともおさらばですね。「情報」はあのとおりですから、もう未練はありません。月刊総合航空誌としては航空ファンのみが残ったと言っても過言ではない状況になりました。
 過去少しばかり稿料を頂いた経験がありますが、ネットで検索してみると、エアワールドに限らず航空雑誌の稿料支払いは全般的にひどいようです。金の切れ目が縁の切れ目と言いますが、ライターの質や意欲がそれによって低下し、それがつまらない記事の遠因となり、引いてはそれが販売低下につながるという悪循環は自明のことです。さらには、編集者の力量も当然あります。今後、紙という媒体が無くなる可能性はあるのでしょうが、アナログ人間としては、その筆力、編集力に絶対的な信頼を寄せている航空ファンとヒコーキ雲(デジタルにせよ)には益々期待するところ大なるものがあります。
 結局のところ、”航空ファン”に三井一郎あり、”ヒコーキ雲”に佐伯邦昭あり、ということになるのかと思います。頑張れ”航空ファン”、頑張れ”ヒコーキ雲”。


佐伯から :   過分のお言葉ありがとうございます。頑張ります。
 ただ、お言葉の中の航空情報も抜けて航空ファン一誌だけになるというのは、独占の弊害の危険性があります。お互いに相手を意識して競争していい雑誌を作っていってほしいと思います。公立図書館では、惰性で航空情報だけを置いているところが多く、廃刊になると
【総合航空誌】が消えてしまいますからね。
 なお、
エアワールドについて創刊号から最終号まで日本航空の後援というのを取り上げましたが、もともと日航と全日空は航空情報に大きな広告を出し続けていました。何時の頃からか出稿を打ち切っているようですが、販売部数から効果無しとしたのかどうか、事情は知りませんが、航空再開後持ちつ持たれつの関係にあったのに冷たい気がします。両社のアピール度を楽しんでいたオールドマニアも淋しいです。

 

Kさんから 
  エアワールド誌が紙媒体から電子化とのことで驚いてます。電子書籍化と云えば聞こえはいいのですが、何だか旧日本軍が撤退を転進に言い換えてるようなものです。

 エアワールド誌は創刊頃から読んでおり、昭和50年代中旬頃は海上自衛隊の航空部隊に勤務しておりましたので、基地祭などが有るとよく取材に見えられてたのを覚えております。当時、大手の老舗航空雑誌社は海自のイベントには殆どお見えにならなかったので購読していなかったのですが、エアーワールド誌は所属していた航空基地でのイベント終了後、2か月後くらいに発刊されたものはPXの書店で同僚が写ってないかチェックしいてました。

 もっとも、店先に顔を出すと店員さんが今月号には誰々が写っているとか教えてくれるので中身を見ずに思わず購入することが多々ありました。所属基地が特集されていた号は、普段より多目に雑誌を仕入れていました(笑) 私も3度ほど紙面に登場しており、これは今でも大切に保管しております。

Lさんから 
  廃刊は知りませんでしたが、特にここ数年、書店に陳列されることも少なくなった状況や、たまに見つけて中身を見てもこれといった内容にはなかなか巡り合わなかった(これは人それぞれの主観にもよりますが)状況から、近々廃刊となってしまうのでは、という気配を感じてはいました。
 
ネット社会となってしまった現在では、【総合航空誌】3つが同時に売上数を満足するだけの購入人口がなくなってしまったのでしょうか。(私も、特にネット社会になってから特に購入数が減っている1人です。)原因がネットのほかにもあるのでしょうが。
 
書店に並ぶ航空ファンは、今でもいくらか威光を放っているようにも見えますが、たまに見るここ最近のエアワールドには光が感じられませんでした。そして、航空情報もエアワールドと同じように見えてきて仕方がありません。
 1980年代後半を中心に、写真を当時の【総合航空誌】に時々投稿していましたが、エアワールドが一番載せてくれました (次いで、航空ジャーナル、航空情報。航空ファンは1回の掲載)。時代の流れとはいえ、航空ジャーナル廃刊時同様、寂しい感じがします。
 
参考まで、2大鉄道総合雑誌と思われる、鉄道ジャーナル、鉄道ファンの両方とも、ネット社会以前の昔から、現在を通じても、書店店頭で放つ威光に陰りが私には全く感じられません。その違いはなんなのでしょうか。

Mさんから
 既に皆様が送られているのと似たような感想ですが、確かに大型店以外の店頭で見かけなくなって久しいですし、よく存続しているなとは思っていました。むしろ、電子版に全面移行というのは驚きの強気です。資金繰りのためにそう表明せざるを得ないのかとも思えます。
 
いくつかweb情報など当たってみますと、稿料などひどい状態だったようですし、無料で継続して良い記事を書いてくれる奇特な人が居るとか、物販である程度稼げるとかいったあてがないと電子版も早晩コケそうです。
 一方、独り勝ちに近い航フですが、1誌に月千円以上を払える層は当分減少傾向でしょう。航情が(内容的に)復活したとしても、航フと航情の間で読者が行き来するだけで、新規読者層の開拓もなかなかに難しいと思われます。
 
趣味の一分野としては当分残るでしょうが、その中で雑誌というものがどの様な立ち位置と形態で残るのか、あるいは残らないのか、社会情勢やマニア気質の変化と共にどう変わっていくのか。.飛行機そのものほどの強い興味は沸かないですが、なんとなく見ていようか程度の気分です。エアワールドがなんとしても存続させるのだという気概をもって面白い発信元として復活する日が来ればそれは素直に喜ばしい事態だとは思いますけど。

 

佐伯から : 月刊エアラインとJwingが旅客機専科・軍用機専科として深く掘り下げ、投稿欄や読者サービス品などで若い人の心をつかんでいるのが、航空雑誌の生き残りの姿かもしれません。その意味で、幅広く軍事を扱う「丸」や軍民両刀使いの「世界の艦船」の今後もどうなるでしょうかね。

  さて、5日から到着順に紹介してきましたが、 投稿者のお考えに関する限りにおいてエアワールドの廃刊はやむを得ない現象であること、残る航空情報も危ないこと、頑張っている航空ファンも【総合航空誌】形態としての先行きは決して明るいものではないということで、ほぼ同一の感想として括っておきたいと存じます。
 これをもって打切りますが、5年後、10年後の読者が振り返ってみるのも航空史の一興かと存じますので 全文を保存いたします。

 なお、3月も中旬に入りましたが、エアワールド社が予告している電子書籍は見当たりませんし、3月号に記載されているアドレスで連絡しても返事はありません。

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