佐伯から :
須賀雄介さんから勧められて早速購入しました。読み始めると、実に重い内容で、小説のように一気に読み進むことができませんで、長くかかりました。
終戦時小学5年生の私には、初めて知ることが多くて、改めて、こんな兵士の状況でよくも戦争を継続したものよと大本営と軍令部の無謀ぶりを思い知らされます。
戦争は無い方がいいに決まっていますが、やむを得ず開戦した時には、引き時を常に考慮しておくべきだと、これは個人の生活においても通用することだと思います。良書を勧めてくださって感謝しています。
須賀雄介さんから返事 :
多忙の佐伯さんへの本の紹介で、迷惑では?と思いましたが、読後感を見て安堵しました。戦争物、軍隊物はいろいろ読みましたが、日本の軍隊の内面・内情をこれほど幅広く詳細にまとめた本は私の知る限りでは例を見ません。
高知新聞の日曜日には、市内2大書店におけるベストセラーズが10件ずつ掲載されますが、この2〜3か月間だけで3回ありました。軍隊物はもう売れないかと思いきや、残り少ない体験者以外にも関心が高いことを知りました。
私は、戦時には海軍軍属として工廠に勤務し、終戦の年、4月〜9月中旬までは陸軍迫撃砲部隊の通信手でしたが、この短期間に時代遅れの装備兵器、粗悪な給与面でのまさに悪夢を忘れることが出来ません。特に古年次兵による日常的リンチに対する忍耐力は筆舌に尽くしがたい肉体的・精神的苦痛でした。この本がその一部を伝えてくれていることに“価値”ありと認めます。
それにしても戦闘で「負けることによる更なる悲惨さ」は、平和な時代では真実性が疑われたりしますが、実際に起こりうるということを読者に知ってもらいたいものです。
推薦します : その内容については、本書の帯の紹介にとどめます。手ごろな価格ですから、国民必読の書として手に取ってお読みいただくよう、つよく推薦いたします。