A 行政評価局へ申しれてみた
大多数の一般入場者向けと一握りの招待者向けのこの本末転倒ぶりについて、総務省北海道管区行政評価局に申し入れを試みてみました。
申し入れの要旨
1 行政評価局において両方のプログラムを取り寄せて比較してみてもらいたい。本末転倒であると思われるかどうか。
2 一般入場者向けには大量の広告が載っており、基地の隊員が集めたとすれば協力した業者と癒着が生ずる恐れがないだろうか。(何故か招待者向けには広告がない)
その結果、行政評価局を通じて、次の回答が来ました
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第2航空団から回答
1 庁費による航空祭のカラー刷りプログラム作成経費は限られており、全ての来場者に対するプログラムは作成できないため、招待者用の1,000部だけ作成している。
一般来場者用のプログラムについては、千歳基地後援会「千鷲会」(航空祭共催団体)による「千鷲会航空祭共催委員会」が自主的に制作(例年約30,000部)しており、基地ではこれに介入していない。
このようなことから、招待者用と一般用とで装丁が異なるものとなっている。
2 一般用プログラムの広告掲載は千鷲会が行っているものであり、広告勧誘、広告費の使途及び広告掲載企業の取扱いについて、基地は関与していない。
3 今後、後援会作成プログラムについても、印刷要領を定めるなど、より見やすいものにするため、千鷲会航空祭共催委員会と協議し、対応することとしたい。
北海道管区行政評価局行政相談部 添え書き
上記のとおり、第2航空団では、予算上の制約から招待者用のプログラムしか作成しておらず、一般来場者用は民間団体である千歳基地後援会が自主的に作成しているとのことでありました。
当局といたしましては、@)第2航空団における経費の執行が不適切であると判断する状況は認められないこと、A)第2航空団では、一般来場者用のプログラムの装丁について、今後、より見やすいものとなるよう後援会(千鷲会航空祭共催委員会)と協議するとしていること、B)広告掲載の勧誘、広告費の使途、関係者の取扱いについて、第2航空団では関与していないことから、本件について、これ以上対応する余地はないとの判断に至りました。
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じっくり読んでみてどう思いますか。
総務省行政評価局は行監時代よりも対応がスピーディになっているし、第2航空団もプログラムのあり方について考えてくれるようなので、申し入れをしたそれなりの効果はあったと思います。
が、どうも引っ掛かるものが残ります。
(1) 「庁費による航空祭のカラー刷りプログラム作成経費は限られており、全ての来場者に対するプログラムは作成できない」とありますが、他の基地では、広告無掲載のカラープログラムを大量に印刷して、場内の各所で配っているところもあります。その費用はどうやって賄っているのでしょうか。
(2) プログラムの発行につき、千歳基地後援会「千鷲会」(航空祭共催団体)と基地は関係ないように言っていますが、広告を除けば基地作成のプログラムと寸分違わない内容ですから、誰が見たって共同作業もしくは基地作成の原版を千鷲会に供与しているのだろうと思います。
千鷲会がやっているのだから知らないという言い逃れは、航空祭主催者として恥ずかしいことではありませんか。
基地内に治外法権があるみたいです。
プログラムを密接に協力して作成するのは結構なことです。ただ、その折に、案内の不公平に気付く隊員が一人もいなかったとすれば、どこに顔を向けて仕事をしているのか、あるいは、3万部も作ってくれる千鷲会に対してモノが言えなかったのでしょうか。
(3) 行政評価局は、「広告掲載の勧誘、広告費の使途、関係者の取扱いについて、第2航空団では関与していない」と認定してしまっていますが、名目上は当り前の話であるとしても、にわかには信じがたいところがあります。
広告出稿の業者は、千鷲会のために協力したというよりも、基地へのお付き合いという意味がよほど大きいと思うからです。断れば基地からの指名が無くなるなんて考えませんかね。ただし、これは私の想像に過ぎません。
B 結論
基地祭や駐屯地記念行事に招待を受けない一般参加者の視点からプログラムのあり方を論じてみました。
もとより、プログラムについても千歳基地についても一つの例に過ぎず、行事の基本的なあり方を考え直すきっかけになればと思います。
招待者云々を強調すると、招待されない者のヒガミともとられかねず、ぐっと我慢するのが日本人の美徳かもしれません。
しかし、誰かが声をあげなければ、いつまでたっても改善はされないでしょう。
それが結論です。