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ヒコーキマニア人生録・図書室12/03/10

零戦マニアから白い目で見られることを承知で書きます 

日本の航空技術100年展

佐伯邦昭

 


1 日本航空技術協会とは関係のない航空技術100年展

 皆さんご承知のように、公益財団法人日本航空技術協会という、古い歴史を持ち航空整備士さんの交流と技術向上に大きく貢献してきている団体があります。

 このたび公益財団法人日本科学技術振興財団が所沢航空発祥記念館で開催している「日本の航空技術100年展」については、テーマの文字からして日本航空技術協会も当然にこれに関与しているのと思いました。しかし、共催・協賛・協力団体のいずれにも日本航空技術協会の名はありません。似たような名前でも、中身は全然違うんだと日本科学技術振興財団は言いたいのでしょうが、日本航空技術協会は舐められたもんです。

 

2 所沢に飛行場ができたから ?

  所沢に飛行場ができて100年だから日本の航空技術100年だ、と言われますが、平成22年に展開された「日本の航空100年」と何とも紛らわしいテーマではありませんか。

 特別展には東大の鈴木教授が監修して、チノの零戦、会式一号機、航研機、YS−11、ボーイング787、三菱MRJ、堀越二郎博士論文等々の実機や模型や関連資料を展示するというのですが、それなら!と思わずにはおれません。つまり、2年前の「日本の航空100年」にこれだけのことをやることができなかったのかと。チノから零戦を里帰りさせるような金と力があるのならです。

 日本科学技術振興財団と所沢博物館は、恐らく、あの、実機がひとつもなかった国立科学博物館での雑多な「日本の航空100年記念展」を蹴とばしてやりたいのでしょう。所沢が日本の航空の主流なんだと。1910年の日野徳川の初飛行は、日本の航空技術発祥には非ず、1911年の所沢飛行場滑走路の開設こそ日本の航空技術発祥なりという。次元の低い話しです。

 

3 チノ零戦を借りてくる愚行

 零戦マニアから白い目で見られることを承知で書きます

・ 絵画のように国際間の貸し借りが定着しているのならともかく、資産価値で言えば億単位とも思われる個人所有の零戦を借りてくるには、ものすごい条件を付けられた上に、得体の知れないブローカーが介在して価格は膨大なものになるに違いありません。その交渉を誰がまとめたのかは知りませんが、公益財団法人日本科学技術振興財団は金持ちの団体なのだなあと思わざるを得ません。

・ チノ零戦は世界で唯一のフライアブルな栄エンジン付きの五二型です。それを里帰りさせて飛ばして見せるのなら大いに喜ばしいことです。
 
 しかし、計画では所沢の敷地内で組立分解とエンジン運転だけのようです。また、組み立てと分解を公募した人に遠巻きで見せるそうです。
 
 
・ 多額の外貨を持ち出すくらいなら、日本にあるどこかの復元零戦を借り出して、牽引滑走でもいいじゃないですか。分解、組み立てを見せたいのなら、呉零のように町工場ででたらめに修復したのを元に戻すような国益にかなう真面目な取り組みは如何ですか。東京大学の先生!


4 日本科学技術振興財団

・ 日本科学技術振興財団は、皇居北の丸の科学技術館を所有し、所沢航空発祥記念館と青森県立三沢航空科学館の運営を受託しています。

 因みに平成24年度事業計画書の所沢航空発祥記念館受託事業の中には、日本の航空技術100年展の予告は無く、もちろんチノ零戦を公開すると言った大型事業は一言も触れておりません。

 同じく平成24年度収支予算書では所沢航空発祥記念館の事業収益は約2億3千万円で前年度決算額とほぼ同じなのですが、他館に対する活動支援事業収益というのが9千万円から4億円へと急増しています。この中に、零戦借り出しの経費をどこかからひねり出して、この項目に隠しているのかと勘ぐることもできます。

・ 収支予算決算書には、各館ごとの費用が明記されていないので、これら収益の歩留まり、つまり純利益が出ているのかどうか分りませんが、いずれにしても、随分大胆な予算を組めるものだとうらやましくなります。

・ こんなことができるのは、もうお分かりですね。科学技術財団の理事長には一応東レの人間を据えていますが、常務理事2人が通産と文部、ほか理事と評議員に科学技術庁だの国交省だの内閣府だのの天下りが続々と‥ 多分非公表の事務局長以下高級幹部職員のプロパーの比率はぐんと低いものと思います。

・ 所沢航空発祥記念館には、もちろん埼玉県と所沢市も絡んでいるはずですが、国県市に納めた税金が金持ち財団のお遊びに使われているような気がしてなりません。

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