新 Blue1さんから Classic Sailplanes Houseでの思い出を投稿頂きました。(編)
(その一) 2004年9月14日 出会い
「たきかわスカイパーク」に引き取られたIS28B-2が、神奈川県相模原市にあった頃の姿をご紹介します。 場所は故本多誠之氏の工房 "Classic Sailplanes House" 略してCSHの敷地内でした。 この場所は国道16号線に面しており、構内の芝の上に見かけぬIS28B-2がありました。
最初の出会いのこの日は出張途中でした。 走行中に発見しすぐさまハンドルを左に切り、国道16号線一本西側の市道に入りフェンス前に慌てて駐車。 工房である建屋の入り口郵便受け上には、「大野台1-3-20 CSH」の表示がされていた。
撮影2004/09/14 Blue1
広々とした工房内ではスタッフが「コンドルW/3」の修復を手掛けられており、本誌では2004/9/14と2006/7/9の二回、「日本のグライダー G-9」で紹介済です。
IS28B-2は全金属製の特性を生かし、国道16号線に面しての広告塔、そしてゲートガーダーとして屋外に堂々の展示でした。 スタッフの方に機種名を訪ねるとニコッと微笑み、あの長い名前を淀みなくスラスラと答えられたのには正直驚かせられました。
撮影2004/09/14 Blue1
左手(東側)の道路が国道16号線。 道路際のトレーラーの中に本機の物が有るに違いない。
休憩でのくつろぎ風景、まだ暑い最中でした。 右が本多誠之氏です。 メンバーの操るRC機の登録番号はスイス登録のHB-225。 実機はSpalinger S19の様ですが細部が異なり、“模した”機体の様です。
撮影2004/09/14 Blue1
この日の出会いが後の朝日新聞グライダークラブとの関りに繋がり、所有するASK13 朝日13号(JA2259) の耐空試験でのお手伝い、そして妻沼での初体験飛行、入会(のちに職場事情で退会)、Minimoaとの出会い等に繋がるのですが、それはまた改めてご紹介しましょう。
(その二) 2007年11月17日 CSHの終末
この日も偶然で出張の帰路でした。 常とは異なる場内の慌ただしさに違和感を覚えハンドルを左に切り駆けつけると、多くのスタッフが工房内を整理中。 見覚えのある中西滑空機整備士に声掛けをすると、この年の3/19に本多氏が亡くなられていた事と、同月29日に「偲ぶ会」が執り行われた事をお聞きした。
そして今日は工房の整理をされている最中との事でした。 本多氏はその後の検査飛行を見る事が叶いませんでした。つくづく残念です。
整理作業中の工房内。 吊り下げられているのは「Fauvel AV36-H」。 本機は現在「たきかわスカイパーク」の15機の木製機の中に、他の本多コレクションと共に保存されている。 子細は出典「ウッディエイジ 2019年4月号」をご覧ください。
撮影2007/11/17 Blue1
水平尾翼が下方に折りたためられたIS28B-2。
今日、JR北海道・滝川駅前にて再度ゲートガーダーの任にあるが、一度も日本の空を飛ぶことなく二度目の務めを始めたIS28B-2機。 せめて北国の地での長命を祈ります。
撮影2007/11/17 Blue1
CSH相模原工房はもう直、幕を閉じようとしていた。
今日、跡地は広々とした駐車場に生まれ変わり、北側の芝生が往時を偲ばせる。
2020/11/18
Blue1