新千歳空港ビル前の広場にあった「北海一号機」等のモニュメントが、新設の空港公園へ移設されました。これは国際線旅客ターミナルビル新設に伴うもので、JR千歳線を挟んだ東側にある柏台公園を新たに空港公園として整備し直し、そちらに像を移したということです。
千歳市が3月に出した告示に次のように書いてあります。
千歳飛行場を造った千歳村民の偉業を称えるにふさわしい公園として開設するため、近隣 公園の名称を変更する。
公園には、かって千歳村民が造成した長さ200メートル、幅110メートルの着陸場が5分の1に縮めて再現されているそうですが、現実の滑走路からは随分離されてしまった感が否めません。現地を見ていない者の感想ですからずれているかもしれませんが、新千歳では、かってビル内にあった歴史的名機の原寸模型をすべて撤去してしまい、かろうじて北海一号機を飛行場とは縁もゆかりもない水道局の建物に保管するという暴挙があり、どうもおかしいなあと‥。
「航空と環境」という財団法人空港環境整備協会の機関誌最近号に市の企画部長が空港公園の整備を3ページにわたって得々と述べています。公園を整備して悪いというのではありませんが、「千歳飛行場を造った千歳村民の偉業を称える
」公園が鉄道線路を挟んだ反対側に引き離された理由はよくわかりません。JR南千歳駅東側の都市計画上の発展に資するというニュアンスが強く感じられます。もちろん、モニュメント建設団体などの意見を聞いて整備したそうですが、場所そのものについて反対意見はなかったのでしょうか。
財団法人空港環境整備協会は、問題の国土交通省公益(利権)法人の典型的な団体のひとつで、こんな地方自治体の公園整備にまで金と口出しをしているとは初めて知りました。恐らく公園の基本構想や実施設計業務に特定業者を推薦(ゴリ押し)しているに違いありません。
企画部長さんは、寄稿の最後に「財団法人空港環境整備協会のご支援ご協力に厚くお礼を申し上げ、更なる協会の発展と事業の充実をご期待申しあげる」と結んでいます。空港周辺の整備くらいは天下りに頼らないで、民間活力でやらせなさいよ。自治体がこれじゃ官僚社会の日本は変わりようがありませんね。