カーチスＯＸ-5（カーチスジェニーＪＮ-4搭載の）エンジン　水冷4サイクルV型8気筒OHV8,237cc　90馬力

車について
　1924年に、銀座のアート商会という自動車のディーラーを経営していた榊原郁三、真一氏兄弟が、飛行学校から払い下げられたカーチスジェニーJN-4のエンジンOX-5を搭載し、当時アート商会に丁稚奉公に出ていた本田宗一郎氏（当時18歳）らと製作したスペシャルレーサーカーです。

　その名も「カーチス号」。エンジンは水冷4サイクルV型8気筒OHV8,237cc,90馬力。宗一郎氏はライディングメカニックとして同乗、この車を駆ってレースで優勝したこともあるとのことです。

　その後何人かの人手を経て、奇跡的に戦災にも合わずスクラップも免れ、1967年ごろ宗一郎氏の手に戻り、自らが校長を務めるホンダ・インターナショナル・テクニカルスクールの学生によってレストアされ、現在でも動態保存がなされているという幸運な車です。（2007/01/20記　小規模板工房）

エンジンについて
　ＯＸ-5は、グレン カーチスが1910年に開発し、第一次世界大戦中に多くの会社でライセンス生産されました。日本には、1921年に来日したサーカス団がＯＸ-5搭載のカーチスＪＮ-4を持ち込み、興行失敗で差し押さえられた機体が伊藤飛行機研究所にまわり、そのエンジンが研究所の複数の練習機に取り付けられた模様です。ホンダに現存するものが、それに該当するかどうかは不明です。（2007/01/20記　佐伯邦昭）