プロペラといっしょに星型9気筒の水冷式というたいへん珍しいエンジンがあれば申し分ないですが、プロペラだけでもよく残っていました。 サルムソン2A2は陸軍が招いたフランスのフォーレ飛行教育団が教材機として持ち込み、性能の良さから乙式1型偵察機として所沢の陸軍補給部と川崎造船所で約600機も国産されました。公証飛行時間は4時間弱ですが、操縦が楽なのとタンクを増やせばいくらでも飛べるというので大正末期から昭和初期にかけての長距離飛行は、ほとんど本機が使用され、時には軽爆としても使われたそうです。 操縦が楽というのは、わが国で初めて水平尾翼にトリムタブがつけられたことが大きな理由です。最大8時間とんだこともあったそうです。
参考文献:回想の日本陸軍機 1962酣燈社ほか 佐伯邦昭
記