〇 ヒコーキマニアによる感想
” あの銀翼に日の丸をつけた旧日本機の姿をもう一度見たいと切望した方は少なくない。〜 キ-61、キ-115、櫻花の三機は日本に返還され、日比谷公園に展示されるという話を聞いた時の我々の喜びはまさにすざまじいものであった 〜 前の晩はうれしくて眠れなかった程 〜 銀色の胴体に日の丸をくっきりと描いたキ-61の前に立った時うれしくて涙が出そうになった‥ ”
敗戦から8年目、この興奮の気持ちわかりますねえ。
つばさ会・温知会会報のこの記事、署名が無いのでどなたの執筆か不明ですが、恐らく今につながる記録派、写真派、模型派、歴史派ヒコーキマニアの先輩たちの共通の感想ではなかったでしょうか。そして、各展示機の観察に続いての締めくくりの文章、
” 会場や説明には、まだまだ改良すべき点も多かったが、この展示会は、我々旧日本機マニアにとっては戦後最大のショーともいえよう。是非、地方のファンの為に各地で開いてほしいものだ ”
キ-61、キ-115、櫻花にモ式六型と立飛R-53、たったこれだけの機種といえども日本航空協会の苦労は大変なものだったそうです。しかし、戦後最大のショーというマニアの興奮ぶりからすればその苦労は報われたというべきでしょう。たくさんの新鋭機が並ぶ現在の航空ショーに馴れてしまった私どもは、相当に贅沢な境地の中に安住させて貰っているというべきなのかもしれません。54年前のマニア会報からそのことを感じ取る次第ですが、さて、50年後にはどのようなことになりますか。