2005年7月から9月まで、東京都葛飾区の被爆・終戦60年平和事業として「キ94!B−29を撃墜せよ」ー空襲とかつしかーという資料展が葛飾区郷土と天文の博物館(東京都葛飾区白鳥3-25-1,Tel
03-3838-1101 入場料100円)にて開催されています。技術的に非常に興味があります。
キ94とは立川飛行機の長谷川龍雄氏が設計主任で開発した日本の本格的排気タービン、気密操縦室装備のB−29迎撃用高高度戦闘機です。
全巾14m、全長12m、全高4.65m 発動機ハー44−12排気タービンつき2400馬力、最大速度712km(高度12000m)の大型機でした。
終戦直前に1機が東京葛飾区の金町工場で完成しましたが、終戦により1度も空を飛ぶことがなかった戦闘機です。
少し早い4月完成の同じ高高度戦闘機として中島のキ87も有名ですが、試飛行では排気タービンがうまくいかなかったのでキ94の排気タービンも結果は分かりません。それでも日本機としては当時の最新技術の装備をした戦闘機でその意義は大きなものがあり、せめて1度は高高度試験をやらせたい戦闘機でした。
キ94関係の展示品は設計者長谷川龍雄氏提供の現物で次の通りです。
キ94の3面図、キ94機体図面、エンジン図、キ94設計説明書、軍関係公式記録、キ94日誌、技術研究会関係、工場内組み立て中の写真類(中の気密操縦室写真は珍しい)、その他です。
私は7月28日に展覧会を見学するとともに、8月21日(日)には、長谷川
龍雄氏の座談会も傍聴しましたので、会場写真の一部(葛飾区郷土と天文の博物館許可済み)と座談会の感想をメモしておきました。感想の方はあくまで主観によるものであることを断っておきます。
なお、長谷川氏は、戦後トヨタ自動車に移り、初期のパプリカ、カローラ(爆発的ヒット)、セリカ、カリーナなどの主務設計者として成功されトヨタ専務、顧問
を歴任して昨年日本自動車殿堂入りをされた今年89歳の方です。
葛飾区郷土と天文の博物館
http://www.city.katsushika.tokyo.jp/museum/