たしか雑誌丸に92式軽爆と書いてあった記憶がありますが、92式軽爆ってどんな飛行機?
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川崎の陸軍92式戦闘機、試作KAD-6偵察機(朝日新聞社北支連絡飛行のA-6逓信機)、陸軍93式単座軽爆撃機などのプロペラがこれに似ています。92式軽爆というのはありませんね。
日本航空機総集川崎篇によると、92戦の後期と93単軽爆に使ったシュワルツ被包式プロペラの性能が良かったとあり、もし、表面が羽布やセルロイド皮膜で包んであるとすれば、貴重な資料となります。
佐世保セイルタワーの水偵プロペラの疑問から発した木製プロペラに関連して、ogurenkoさんが撮り貯めている各地のプロペラなど部品の写真を送ってくれたので順次掲載していますが、各務原市のお宮の欄間のようなところに奉納?されている木製プロペラには、探究心が沸いてきますね。
例えば朝日新聞社が飯沼飛行士によって大阪〜京城〜北京を8時間26分で飛んで記録をつくった川崎A-6逓信機
など、昭和一桁時代に川崎造船所飛行機工場が製作した飛行機のプロペラによく似ています。各務原で生まれた機体が、退役するに当たって、故郷のお宮へプロペラを奉納した、といった想像も生まれてきます。そういうロマンを楽しみたいですね。
2005/05/13佐伯邦昭記
更 2023年
梶村翔誠さんから現況写真を投稿頂きました。
拝殿左手の柱に取り付けてありました。
これ以外には特に飛行機関係の物はありませんでした。
約90年前の代物ですが状態は良い方に見えました。
このプロペラが付いていた機種は判明していないようで、何か手掛かりがあればと思いましたが、特に何もありませんでした。 梶村翔誠
更 撮影2023/07/22 梶村翔誠 クリックするとプロペラのみ拡大
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更 撮影2023/07/22 梶村翔誠
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更 撮影2023/07/22 梶村翔誠
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更 撮影2023/07/22 梶村翔誠
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今回 頂いた写真の解像度が高かったので確認したところ 佐伯さんの指摘通り川崎93式単発軽爆撃機(キ3)のプロペラの可能性が高いことが判りました。 試作高速複座偵察機KDA-6(朝日新聞社北支連絡飛行のA-6逓信機)もありますが、生産機数を考えると川崎と石川島合わせて240機余りと希少なものですね。
世界の翼シリーズ写真集 日本の航空史(上)(1983年 朝日新聞社発行)の写真の解像度が一番良かったので画像を一部拡大掲載させていただきます。
世界の翼シリーズ写真集 日本の航空史(上)(1983年 朝日新聞社発行)150頁
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今回のプロペラ1枚目拡大写真
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2枚目拡大写真(横向き掲載)
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プロペラの表面処理ですが シュワルツ(Sehwarz)被包式プロペラであることが判りますね。
シュワルツ被包式は下記のように 圧縮木材の上に布を被せてセルロイド樹脂を塗り固めているので木目が見えません。 左側にBrass(黄銅)とSolder(半田)と書かれているのはプロペラに付けられている黄銅カバーで下に半田が使用されているということでしょうか。 (図中 CAUZEの意味は判りませんでした。)
The Aeroplane 1936 Feb 5 より
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