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都道府県展示機総覧岐阜県	掲載16/09/08 追加16/09/10
ニュースフラッシュ307

かかみがはら・スミソニアン両航空宇宙博物館が連携協定締結

スミソニアンからの提供は重爆用ハ214（ル）エンジン

9月8日の岐阜新聞WEBより

かかみがはら航空宇宙科学博物館にスミソニアン航空宇宙博物が所蔵する旧日本軍の四式重爆撃機「飛龍」の改良型エンジンを展示することが分かった。岐阜県によると、改良型エンジンは試作段階で実用化されなかったため、生産数は少なく、日本の航空技術史を知る上で極めて貴重という。

　飛龍は三菱重工業が開発し、各務原市の川崎航空機工業岐阜工場でも機体の一部を生産していた。

　改良型エンジンは三菱重工業が当時の最先端のターボチャージャーを導入するために試作。三式戦闘機飛燕の設計者土井武夫氏が手掛けた大型爆撃機キ９１（深山の陸軍仕様）にも搭載予定だったが、戦局の悪化により機体は試作段階で中止となった。

　古田知事は「ナショナルミュージアムにするため、具体的な協力関係を進めたい」とあいさつ。浅野市長は「世界に誇れる博物館にリニューアルさせたい」と意気込みを語った。デイリー館長は「アジアの博物館とは初めての連携になる。子どもが宇宙航空史を通じて素晴らしい人々が成し遂げたことを学び、将来に続いてほしい」と話していた。

　また、古田知事らはワシントンの米航空宇宙局（ＮＡＳＡ）本部も訪問し、展示物の貸し出しについて協力を求めた。

http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20160908/201609080914_28001.shtml

ハ42-21（ハ214）　　wikipediaより

乾燥重量：1,260 kg

燃料供給方式：燃料噴射式

圧縮比：6.7

過給機：遠心式スーパーチャージャー1段2速

その他：水メタノール噴射装置

離昇馬力　

2,500 hp/2,600 rpm / ブースト+600 mmhg

公称馬力　

一速全開　2,300 hp/2,500 rpm / ブースト+300 mmhg（高度2,000 m）

二速全開　2,000 hp/2,500 rpm / ブースト+300 mmhg（高度6,400 m）

　７日の中日新聞夕刊の一面で、かかみがはら航空宇宙科学博物館とスミソニアン博物館との提携が正式に成ったとの報道がありました。

[ワシントン発]　岐阜県と各務原市は6日（日本時間7日）ワシントンにあるスミソニアン航空宇宙博物館と連携協定を結んだ。近く改装して航空宇宙関係の博物館としては国内最大級となるかかみははら航空宇宙科学博物館の展示充実を図る。

　スミソニアン航空宇宙博物館は航空宇宙に関する世界最大級の博物館で、アジアの博物館と連携するのは初めて。
◆　展示品など交流
スミソニアン航空宇宙博物館は航空宇宙に関わる世界最大級の博物館で、アジアの博物館と連携するのは初めて。岐阜側との連携は、展示品の貸し借りや学芸員の人事交流、調査・研究分野での協力などが柱になる。岐阜側への具体的な貸出品は、米軍がかつて接収し、スミソニアン側が保有する旧日本軍爆撃機のエンジンなどになる見通し。
　訪米中の古田肇知事と浅野健司市長が、スミソニアン航空宇宙博物館で行われた調印式に出席し、ジョン・デイリー館長と協定書を取り交わした。古田知事は「空や宇宙に挑んだ米国の開拓精神を子どもたちに感じてもらえる、日本を代表する博物館にしたい」とあいさつ。デイリー館長は「スミソニアンのノウハウを共有してもらい、運営改善につなげてほしい。子どもたちが将来への希望を持てるよう手伝いたい」と応じた。かかみがはら航空宇宙科学博物館は９月２６日から休館し、１０月に改装を始める。リニューアルオープンは２０１８年３月。展示面積は現行の１・７倍の９４００平方メートルになる。戦時中に川崎航空機工業が各務原市の工場で製造した旧陸軍の戦闘機飛燕を展示の目玉とする。

http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016090702000247.html

　リニューアル後の展示概要と整備スケジュールについて、岐阜県公式ＨＰに掲載されているイラストを拝借しておきます。ます。

記者発表資料複写　飛燕と零戦初号機

記者発表資料複写　実機展示場

2016/09/08日替わりメモ

○　かかみがはら・スミソニアン両航空宇宙博物館が連携協定締結

　古田岐阜県知事の執念が実った感じです。先ずは敬意を表しておきましょう。
　スミソニアンからは爆撃機のエンジンが貸し出される模様ですが、歴史派・記録派マニアとしては、エンジン単体も貴重ですが、手付かずになっているらしい旧軍用機の機体そのものを見たいところです。細部写真だけでも送ってくれないかしら。

　岐阜県は、既にリニューアル後の建物と内部のイラストを公開しています。半分を宇宙関係が占めるのにはがっかりということは前にも書きました。

　更に気になるのは、航空機展示場に現保有機を二列に並べて、中央を歩行空間にしているスケッチで、将来、新しい機体を入れるスペースが無いように見えます。各地の博物館が犯してきた過ち（余裕を待たせない）をリニューアルに当たって考慮しなかったのでしょうか。

　また、飛燕と十二試艦戦を対比させて目玉展示にするというコンセプトは、隼、紫電改、疾風などの存在を薄めてしまう、つまり、日本の戦闘機史に誤解を生まないかという懸念を感じます。

　飛燕のイラストには日の丸が描いてあります。所有者の日本航空協会は、塗装剥離のままの状態で歴史資料にするという考えらしいですから、無塗装のままなら一般の鑑賞には適さないだろうし、塗装してしまえば歴史価値を失ってしまいそうだし、どう折り合いをつけるのか気になります。日の丸だけで妥協するのかな。

　なお、飛燕は、神戸の展示後は、11月から博物館の収蔵庫で一般公開するそうです。

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ハ42-21（ハ214） wikipediaより

ハ42-21（ハ214）　　wikipediaより