日替わりメモ2012/06/22

○　アケミ寫眞館が発行した陸軍爆撃機の写真

　日本陸軍は、部隊の近くに店を構える写真館を御用達として指定していました。飛行場の分野では所沢の喜多川写真館が有名ですが、浜松市ではアケミ寫眞館が中部聯隊の御用達だったようです。

　アケミ寫眞館が発行した爆撃機のオリジナルプリントの裏には通し番号が打ってあり「複写セシ者ハ処罰セラル」と怖い注意書きもあります。

　「戦時中に航空青年が買い集めた軍用機写真AH-1944a」に見る軍用機ブロマイドには、定価が記された戦時統制下の証票が貼ってありますので、このアケミ寫眞館の写真は大東亜戦争前、支那事変で九七式重爆が活躍していた頃の発行ではないかと推定しますが如何でしょうか。

　歴史記録派としては、今朝発表の５枚から、九七式重爆の形式や所属部隊などの技術的な面はもとより、軍と写真館の関係など社会背景の解明にも食指が動きます。

　今は、アケミ寫眞館は存在しないようですが、空襲で店もろとも写真原版が焼けてしまったのでしょうか、それとも疎開させていて、喜多川さんのように占領軍の目から隠し持っていたというような奇跡を起こしてくれないものでしょうかね。

○　アケミ写真館は戦後もあったようです　　遊佐　豊

　No640　九七重の生写真を私も持っています。 ただし　裏に保安隊航空学校許可済の赤いスタンプが押してあります。保安隊航空学校の隊内で販売していたのでしょうかね。いずれにせよ、保安隊（1952/10/15〜1954/6/30）の頃までは、アケミ写真館はあったのでしょう。

上記��640と同じ写真のスタンプ　　　　　　　　　　川崎九九式双発軽爆撃機写真のスタンプ
　

保安隊　シコルスキーH-19写真のスタンプ　　　　　　　　　　　保安隊　パイパーL-21写真のスタンプ
　

新居町について 　かかし

アケミ寫眞館の両側に新居とあるのは、浜松から少し西に行った浜名湖の近くに新居町（あらいちょう） という意味だと思います。　　

新居町について 　横川裕一

　　静岡県湖西市新居町は、仏国航空団によって射撃練習が新居の大正浜で行われたとあります。
　金属モデルの記念碑があるようです。浜名湖競艇場と養鰻場が隣接する埋立地の一角にあるとのこと。
　写真は、射撃班主任教官ペラン大尉への新居駅頭歓迎のヒトコマです。

○　九七重の標識と御用達写真館について   横川裕一

・　御用達写真館

　野沢氏の著作では、アケミ堂さんは、所沢の喜多川さん、立川の荒井さん、等と並ぶ、陸軍飛行部隊御用達の地元写真館です。

次の写真もアケミ堂製で、飛行第四連隊（太刀洗）の九二戦です。商魂たくましく、いわば外来機も売っていたようです。左翼下の影の部分に「製複許不　松ミケア浜」とエンボスで打ってあり、裏面にスタンプなどはありません。

・　喜多川写真館

　喜多川さんで、思い出しました。数年前に廃業され、偶然通った際に、「あれっ」と思っていたのですが、
今月10日に、所沢のフォール大佐像を撮りにいき、跡地を訪ねてみました。まだビルと看板は残っていましたが、それだけでした。いたしかたないのでしょうが、寂しいです。