▽ 空冷星形9気筒エンジンをかたどった置物 撮影2010/05/03 TADY BEAR
蒲郡プリンスホテルのホームページには零戦のエンジンと書いてありますが…
盾
盾に辛うじて残っている浮彫の機影は、海軍九〇式艦上戦闘機に近い
蒲郡プリンスホテルの公式ホームページは次のように書いています。飛行機ならなんでもゼロ戦というこの国の風潮を端的にあらわす説明です。
創業昭和9年の蒲郡プリンスホテルは、国際観光ホテル登録第1号、近代化産業遺産にも認定された格式の高いホテルですから、著名人の宿泊も多く、お宝をたくさん持っているだろうと想像しますが、ヒコーキマニアとしては、やっぱりこのプロペラ付きエンジンに目がいくでしょうね。
立派な台座
に支えられた9気筒のエンジンは、時計の文字盤(リング)をあしらい、プロペラを針に見たてています。下部の盾型には編隊の飛行機が浮き彫りされています。浮彫の飛行機は中島九〇式艦上戦闘機と思われますから、エンジンは寿でしょうか。
(2010/05/15記)
中島飛行機株式会社太田工場発行の記念冊子 冊子
昭和9(1934)年11月16日に天皇陛下の行幸に際してふたつの置物を献上し、その記念写真を冊子にして関係者に配ったものと思われます。右の置物がホテルのものと同等品に間違いありませんし、左の置物の飛行機は、当時、海軍主力戦闘機として太田工場で量産していた九○式艦上戦闘機(二型又は三型)です。
蒲郡プリンスホテルは、2012年に経営者が代わって蒲郡クラシックホテルになっており、この置物が今も展示されているかどうかは不明です。
(2016/04/18記)
提供 横川裕一
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