松井市長は市営存続に不可欠な東京線の復活が困難と判断した。年間2〜3億円に上る管理運営費や、滑走路を横切る広島南道路の建設が来年秋に迫る状況も踏まえ「市営化は現実的でない」と結論付けたとみられる。1961年に広島空港として開港した西飛行場はその歴史に幕を閉じる。定期路線が就航した空港の廃港は全国で初めてとなる。
掲載11/05/27
広島西飛行場の活用について 最終結論出る
佐伯邦昭
2011/05/27 最終結論出る 広島西飛行場存廃問題について、本27日の広島県広島市トップ会談において、空港廃止→ヘリポート化の決定がなされることになりました。
県においては、前知事が廃止を宣言し、新知事は廃港→ヘリポート化に変更して、いずれも市の出方を待つという姿勢でした。
対する市は、前市長が、県が撤退しても滑走路北端に建設される高架道路の為に40億円を投じて滑走路を嵩上げするとか東京線を誘致するとかの夢みたいな計画で、市営空港条例案を3月市議会に提案し、その時点で彼が退任することが決まっていたため、議会は、新市長に決定を委ねるべきだとしてこれを否決していました。
県知事は、これを見て市営空港化は無くなったと判断し、ヘリポート化に向けて手続きに入りました。
そして、4月の統一地方選挙で選ばれた松井市長の決断は、中国新聞が伝えた次の記事のとおりであり、今日のトップ会談で最終結論がでます。
広島市の松井一実市長が、広島県営広島西飛行場(西区)の市営化による存続を見送り、県が進める廃港・ヘリポート化を受け入れる意向を固めたことが25日、分かった。27日に市役所である湯崎英彦知事とのトップ会談で最終判断として伝える。松井市長は市営存続に不可欠な東京線の復活が困難と判断した。年間2〜3億円に上る管理運営費や、滑走路を横切る広島南道路の建設が来年秋に迫る状況も踏まえ「市営化は現実的でない」と結論付けたとみられる。1961年に広島空港として開港した西飛行場はその歴史に幕を閉じる。定期路線が就航した空港の廃港は全国で初めてとなる。
佐伯の所感
4年来、中国州における各県との連絡交通手段として、或いは災害時における新空港の代替救援飛行場として、或いは航空機を生産している三菱江波工場との関連で小型機整備基地化とか、いろいろと申し述べてきましたが、広島県と市は、暗愚な前知事と前市長のために飛行場問題に限らず、経済や都市基盤整備をはじめとして大きく立ち遅れてきましたので、内心では、西飛行場も駄目だろうと観念していました。
新知事になって、ヘリポートとして残そうという考えに変わったのがせめてもの救いです。そこで、私は、ヘリポートと同時に防災基地として、残存している空港ビルを活用することと、防府市にある陸上自衛隊第13飛行隊の分遣隊を誘致して、陸自ヘリコプターを常駐させ防衛と災害対策に当たらせるように、知事市長に提言をしています。
いずれにしても、「定期路線が就航した空港の廃港は全国で初めてとなる。」といった情けない記事が書かれる地元の航空ファンとしては、暗愚な前知事と前市長に対して心の底から怒りがこみ上げてきます。
・ 前知事と前市長の本当に馬鹿げたやりとり
ここで、初めてバラしますが、西飛行場廃港の直接のきっかけは、前知事と前市長の本当に馬鹿げたやりとりにあるのです。
それは、滑走路の北側に計画しているバイパス道路を、トンネル式(太田川放水路を沈埋トンネルで渡る方式)か高架橋かで、永年もめていたのを、広島市の担当局長が奮闘して、建設省各課と中国地方建設局、広島県土木部その他国会議員など関係先に完全に根回しが済んで、すべての了解を取り付け、最後のセレモニーとして県市トップ会談が実現した時のやりとりです。
秋葉市長 : それでは、飛行場存続のために、トンネル方式で施工するように都市計画手続きを進めて差し支えないですね。
藤田知事 : 結構です。それで行きましょう。
秋葉市長 : ありがとうございました。それでは失礼します(と言って立ち上がりかけた時に)
藤田知事 : (冗談めかして、笑いながら)市長さん、やっぱり高架ではいけませんか?
秋葉市長 : (座り直して)そうですか。やっぱり高架でやりましょうか。
藤田知事 : (びっくりして)え? 本気ですか。じゃあ、そうしましょうや。
という具合で、なんと大逆転になったというのです。これは同席していた担当局長から佐伯がじかに聞いた話ですからほぼ正確です。
もの凄く苦労して永年の難問に、都計変更と財源措置に決着をつけた彼の努力は、一瞬にして水泡に帰しました。
もちろん、本省をはじめ方々に全く顔向けができなくなり、かつ、気楽なお遊び感覚の市長の下で働く気が無くなった彼は、辞表を叩きつけて市役所を去っていきました。一地方公務員でありながら、都市計画の本を執筆出版し、全国的にも知られた優秀な人材でした。
広島市は、優秀な人材と飛行場を同時に失ったわけです。
こんな暗愚な知事と市長を生み出したのは県民、市民の責任でもありますから、当方も大きなことは言えませんが、二人がようやく政治から去って、後任は二人とも経済の活性化を旗印として経済界の支持を得ていますので、西飛行場は残念な結末になったものの、更にその有効活用を含めて、これからに期待する次第です。
5月25日、桶川で軽飛行機を楽しんでいるJO1RBOさんが西飛行場を見たいというので、行ってみました。定期便の飛ばない飛行場なのに、タクシー乗り場に数台の車がおります。それは、運転手さんの仮眠やトイレ休憩のためでありました。カウンターロビーは閉鎖され入れなくなっていました。
金網からエプロンを写す これらの常駐固定翼機はどこへ行くのでしょうか
A6401 広島県 Hiroshima Prefecture 広島市西区 広島西飛行場
旧広島空港 |
|||||
1 2007/09/25 中国新聞への投稿
2 広島県藤田知事の公式な廃港発言
3 知事と市長への質問状
4 市・県からの回答 (市は投稿3日後、県は10日後)
5 まとめ
|
日替わりメモ451番 2008/05/21から
日替わりメモ457番 2008/05/27から
日替わりメモ459番 2008/05/29から
|
|||
日替わりメモ20100131
|