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航空歴史館いしぶみ

慈母観音菩薩像 百式司偵三型改乙防空戦闘機の慰霊碑と部品

 

A6502-2 山口県宇部市小野来見
       Monument of clashed Mitsubishi Ki46, Ube City, Yamaguchi Prefecture
  

〇 慈母観音菩薩像 百式司令部偵察機三型改乙防空戦闘機の慰霊碑と部品

取材2013/10 宇部市小野来見 古谷眞之助

百式司偵の水平尾翼一部

 
百式司偵のスピナー
同 以前の撮影
   

「建立の趣意」

 昭和1910月初旬B29邀撃のため日本陸軍の最新鋭戦闘機2機が小月基地に配備され歴戦の搭乗員2名による高高度上昇テストが命令され1015日午後3時頃テスト飛行が実施されましたが、高度7,000mで基地との交信が途絶え爆発音とともに当来見金山山中に墜落炎上し次記二英士が殉職されました
 故陸軍准尉 森本辰雄殿 
 故陸軍准尉 齋藤義久殿
 右両英士の慰霊と併せて地域の諸霊を祀り平和日本の繁栄と国家の幸福を祈りたいとの御遺族の発願により建立されたものであります

 平成4719日 建立実行委員会

「小月会名簿・戦没者編」 の記事

 軍は百式司令部偵察機の優秀なる高速性と高高度性に着目し、百偵V型に機関砲を装備して百偵V型改「武装司偵」と称し、B29の邀撃戦闘機として採用した。最初の改造機は昭和195月に立川航空工廠で完成した。第4戦隊は昭和1910月初め頃、この百偵V型改乙型( 20mm×2 )2機導入した。

 事故当日は秋晴れの良い天候であった。森本機は他の1機とともに、飛行師団司令部の要請により高度1万mに到達するまでの上昇試験( 時間測定 )を実施中だった。森本機は高度7,000mに達した無線電話報告を最後に基地との交信が途絶し、間もなく機体の空中分解により宇部市小野区来見( 金山 標高113m )の山中に墜落したことが分かった。森本曹長は去る820日のB29邀撃戦で撃墜3機、撃破4機の戦果を挙げ、個人感状を受賞した

 

参考 佐伯邦昭

キ46 百式司令部偵察機三型改乙防空戦闘機 機首に20ミリ機関砲2門装備

 百式司令部偵察機三型改乙防空戦闘機の図面の殆んどは、座席中央部の天井から迎角70度で上向きに取り付けた37ミリ機関砲がありますが、そのタイプは乙+丙型と呼称されています。小月会名簿・戦没者編は「百偵V型改乙型( 20mm×2)」と書いていますので、上向き機関砲は無かったはずです。