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航空歴史館技術ノート

  

Doctor Helicopterの運用について

ヒコキチ

 2023/01/08 

 東海大学医学部付属病院 ドクターヘリコプター運用事例について

 2005年1月9日(土) 東海大学医学部付属病院(神奈川県伊勢原市)のドクターヘリ・ヘリパッドを訪問しました。

 神奈川県の場合、平成11年11月から平成12年3月31日まで、試行的事業として実施していましたドクターヘリが、平成14年7月1日から正式に運用されるようになりました。しかし、予算等の関係で ヘリ事業が途絶える年度もあるようです。
 運行担当会社は 基幹会社が、朝日航洋(株)、その他に 中日本航空(株)等が参加しています。
 使用機体(ヘリコプター)は、 BK-117c-2 、 MD-902、 EC-135等です。

 運用時間は
   1月      8:30〜16:00
   2月      8:30〜16:30
   3月〜9月  8:30〜17:30
   10月      8:30〜16:30
   11月〜12月 8:30〜16:00

 消防機関や、ヘリパッド設備のある病院等からホットラインにて連絡が入ると、約5分以内に飛び上がります。
 通常に於いて、事前に各市町村等と ヘリ運用に関してのシミュレーションをしているので、指定されたランデブーポイントまで向かいます。もちろん、高速道路等も 安全が確保されれば、どこにでも降ります。
 例えば、ランデブーポイントT(タンゴ)-15でしたら、ヘリには、GPSや、その他 必要航法機器が装着してあるので、事前に指定場所をインプットし、そのランデブーポイントに向かいます。

 パイロット、整備士、医師、インターン、看護師の五名が乗り込みます。
 高度は約300m、速度は約120ノットとのこと。患者搬送中は、気圧変化を考慮し、高い高度は避けているとのことです。
 ドクターヘリとして、出動中は、航空法の内、高度に関すること、場外離着陸場所に関すること等、その他関連法が適用外となっています。※1
 また、出動時は、警察、消防、海保庁等の航空機と同様の扱いとして適用されます。(事前手続きの省略等)

 ドクターヘリとしての出動時の気象条件は、
   視程1.5キロ以上
   雲高700フィート以上
   風速18m/s 以下であれば、例え 雨天等でも出動可能とのことです。

 年間250〜300回程の出動があるとのこと。
 半径50キロ以内であれば、15分以内で到着できるとのことです。

 写真は 川崎BK-117 C-2(JA6910)です。
 訪問時の担当航空会社は、朝日航洋(株)でした。

JA6910の経歴
 
  c/n 4002  川崎BK117C-2
2001/10/23 朝日航洋  定置場 朝日川越ヘリポート
2023/01時点 運用中


撮影2005/01/09 東海大学医学部付属病院ヘリパッドにて  ヒコキチ


※1 2002年の2月から 航空法の内、79条、80条、81条が適用外の扱いとなり、飛びやすくなったとのこと。 (ヒコキチ)

(離着陸の場所)
   第七十九条 航空機(国土交通省令で定める航空機を除く。)は、陸上にあつては空港等以外の場所において、水上にあつては国土交通省令で定める場所において、離陸し、又は着陸してはならない。ただし、国土交通大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。
 (飛行の禁止区域)
  第八十条 航空機は、国土交通省令で定める航空機の飛行に関し危険を生ずるおそれがある区域の上空を飛行してはならない。但し、国土交通大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。
 (最低安全高度)
  第八十一条 航空機は、離陸又は着陸を行う場合を除いて、地上又は水上の人又は物件の安全及び航空機の安全を考慮して国土交通省令で定める高度以下の高度で飛行してはならない。但し、国土交通大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。



 同型機川崎BK117C-2は国内登録47機中43機が多方面で運用されているようです。(編)