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航空歴史館技術ノート

  

カモフ Ka-26 ヘリコプター研究

資料、文 イガテック

 2022/03/21 

 成田航空博物館に旧ソビエト連邦製 カモフ Ka-26 が展示されていますが、西側で製作されたヘリコプターとは形状などが異なり独特の機体です。 展示パネルの説明からはどのような機体か判らないので調べてみました。
 多用途に使用できたり、寒冷地独特の装備があったりします。
 メーカー技術資料や写真から説明します。
 尚、資料がすべてロシア語で書かれていて難解でしたので説明が漏れているところもありますがご了承願います。


カモフ Kamov Ka-26

機体平面図


特徴:

1,ローター軸が6度前傾しています。(撮影2022/03/14 イガテック)


2,垂直尾翼先端が内側に向いています。
 角度は左右とも15度です。 進行方向もあるので若干前向きの角度です。

(撮影2022/03/14 イガテック)


3,成田航空博物館展示機体は乗用のアタッチメントが付けられています。
 図面から、色々オプションで選択できるようになっています。


後部座席仕様は助手席が未使用になっています。


4,ブレードは短い幅でスリットが入っています。
 材質は金属製で回転方向側は中空になっています。

5番のブレードの奥行きが大きいところはトリムです。
(撮影2022/03/14 イガテック) 


5,エンジンは星形9気筒を2基搭載しています。
 Vedeneyev M-14V-26 はプロペラ機に使用された M14Pシリーズの中の一種です。 
 出力 242.5kw(325.2HP) x2基
 
駆動系は下記のように左右からシャフトでローターを回転しています。

プロペラシャフト部 


6,寒冷地仕様
 旧ソ連地域は寒いので防寒対策がとられています。
 ガソリンエンジンは冷えすぎると気化器がアイシングを起こしたり、燃焼効率が悪くナノので冷却風量を絞って対応しています。
 また、キャビンには大きなデフロスターがついています。

エンジン冷却シャッター部


エンジン全体写真 空気取り入れ口は全閉状態。冷却空気はスリットから外へ流れます。
一部は上にあるオイルクーラーを通過します。(上部の膨らみ部分)
(撮影2022/03/14 イガテック)
 
オイルクーラー排気口にもシャッターがーついています。
左右上の赤いキャップはエンジン排気口です。


風防の曇り防止機構


吹き出し口が窓に沿っています。(撮影2022/03/14 イガテック)



6,その他仕様
薬剤散布仕様


貨物仕様