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航空歴史館技術ノート

  

ヘリコプター農薬散布について

写真 北川 喜平

 2021/06/26 

 農薬散布がヘリコプターの普及で有人飛行で行われてきましたが、最近はラジコンヘリコプターなどで済ませてしまうことが多くなりましたね。
 農薬散布では薬剤を圃場内にまんべんなく散布することが必要とされ低空での急旋回など高度なテクニックが要求されます。 意地悪な話ですが農家は隅々まで散布されたことを確認するために棒の先に青い6cm角程度の厚紙を付けたものを圃場の隅っこに立てていました。この紙は薬剤に触れると色が変わって目視判断できるようになっています。 パイロットの目からも見えるか微妙なサイズですので苦労していたことでしょう。
 ヒコーキ雲内でこの用途でのダイナミックな飛行風景写真がヘリコプターの性能や運用を知る手掛かりになりますので技術ノートへの掲載としました。


ヒラー UH-12E  JA7648
  c/n5078
1979/04/11 日本農林ヘリコプター 定置場 川越ヘリポート
1988/08/09 新潟県上越市にて薬剤散布中にエンジン停止し不時着横転
1989/5/17 抹消

撮影 1983/08/03 滋賀県竜王町  北川喜平 

正面写真 薬剤ノズルは24個でした。
 

背後に見える4本の電線は高圧送電線ですね。 近いところを飛んでいることがわかります。













 撮影写真について
 『約40年前仕事のつながりで使用事業の会社に顔を出した時、滋賀県での水田の農薬散布の話をしていたので、面白そう、絵になりそうとのことで場所と時間を教えてもらい、朝4時起きで滋賀県の現場に。 早朝なので下道で1時間ちょっとくらいだったかな、現場はヘリが飛んでいるのですぐにわかります。 薬剤散布の人も手伝いに、農道が李発着場に、5時ころから8時くらいまでの時間で散布は終わり、近くの宿泊している商人宿みたいなところで朝食を。 この現場では 平ーUH-12E 1機とパイロット、メカさんのセットと会社の営業の人も手伝いに。 知っている人ばかりなので 僕も宿でみんなと食事を。』 北川 喜平

Hiller UH-12E機体情報

資料: Helicoptor Mainrenance  Jeppesen Sanderson Training Products 

この機体はヘリコプターのマニュアルでもBell-47にとてもよく似ていると書かれています。
比べて見られるように下記します。 Hiller UH-12Eがエンジンも最大機体総重量も大きくなっているので薬剤もその分多く積載できたのでしょうかね。
 薬剤最大積載量の書かれた資料は見つかりませんでした。

Bell 47G,G2 機体情報

資料: Helicoptor Mainrenance  Jeppesen Sanderson Training Products 


川崎ヒューズ369D  JA9279
  c/n6708
1981/04/13 阪急航空 定置場 仙台空港
1981/12/03 旭リース(阪急航空)
1987/09/01 阪急東宝リース(阪急航空) 商号変更
2003/11/03 抹消

撮影 1984/08/04 滋賀県  北川喜平 

正面写真 薬剤ノズルは28個でした。
 

背後に見えるのは穀物用サイロですね。コメを共同で保管されるため撮影されたころ各地に建てられました。











Hughes 369D (500D) 機体情報

資料: Helicoptor Mainrenance  Jeppesen Sanderson Training Products 

 先ほどのHiller UH-12Eよりも期待は小型ですが5枚ブレードでエンジン水力や最大機体重量も大きくなっています。 設計が新しいだけあって性能が良くなっています。


アエロスパシアルAS350B  JA9347
  c/n1694
1983/04/27 阪急航空 定置場 八尾空港
2009/04/28 デンソーオート  (鹿児島県)
2010/10/25 個人所有 定置場 結城ヘリポート
2013/03/21 All Round Helicopter 定置場 結城ヘリポート
2019/05/14 ピースウィンズ・ジャパン 定置場 結城ヘリポート
2020/05/08 高橋ヘリコプターサービス 定置場 結城市
   

撮影 1984/08/04 滋賀県  北川喜平 







 撮影写真について
 『前年面白かったので懲りずに昨年と同じようなところに。 この現場は広かったので2機。
 ヒューズ500とAS350、同じ時間に同時に作業するので撮影のほうが散漫になったかな。
 この日はあくる日違う現場での作業なので、ここが終われば移動とのことで、機内に作業道具、メカさんを乗せて移動。 みんなと雑談していた時m僕が2機だったらAir to Airができるな なんてしゃべったら、メカさんにお前の車を運んでもらって、ヘリに乗って写真を撮ったらという涙の出るようなお言葉。 40年ほど前の私の車はクーラーが付いていない車。 メカさんも知っている人なので いいよと言ってくれました。 ということで貨物機状態のAS350にメカさんと代わり私が。 2機同時に上がり、次の彦根の場外着陸場に。 距離的に30km程度、両機とも散布装置が付いているのでゆっくりと、琵琶湖岸沿いにヒューズ500を撮影しながら北上。 約20分くらいで今日のスティ場所に着陸。 期待をチェックしてカバーをかけてしばらくして私の車がメカさんと到着。 ラッキーな1日でした。』 北川 喜平