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航空歴史館技術ノート

  

Boeing 737 レドームに見る落雷被害低減処理について

イガテック

 2022/06/08 

 成田航空博物館で2015年3月7日に開催された恒例 ジャンク市に行った際にBoeing 737の部品がありレドームと中に収められているアンテナが販売されていました。
 旅客機に至近距離で近づくことは通常できないのですが、ジャンク市では手に取って見ることもできます。
 その際に レドーム表面に落雷時の被害低減のための加工がしてあることを確認していたので紹介します。

  レドーム外観
  
 
 表面上側と左右斜め上方向に線状のラインが見えます。 これは実は点で並んでいる状態です。
 レドーム内には気象レーダーが入っていて線状のラインを引いてしまうと電波の障害物になります。
 使用されている周波数より短い点であれば吸収されないので影響を低減できます。 雷は高圧電圧ですので小さなギャップは簡単に放電し胴体側に電流が流れ込むようになっています。
 このラインの長さで効果が変わると文献に書かれています。

 レドーム上のライン部分拡大
  

 アンテナを囲う避雷点線模式図 
  

 上図出展元の資料に避雷点線の長さの差により効果も変わってくることが書かれています。
 興味のある方で英文でもかまわない方は読んでみてください。
 
 参考資料:  リンク
 AN APPROACH TO DETERMINING RADOME DIVERTER STRIP GEOMETRY
  C. Karch, W. Wulbrand, and H.W. Zaglauer
   Dornier GmbH, DaimlerChrysler Research and Technology C.J. Hardwick
  Culham Electromagnetics and Lightning Limited
 Copyright  2003 Dornier GmbH, Culham Electromagnetics and Lightning Limited
   published by Royal Aeronautical Society, with permission

 今回のボーイング737のレドーム内の気象レーダーアンテナは フェーズドアレイアンテナでした。
 
 アンテナ部