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航空歴史館技術ノート

掲載15/04/07
追加19/12/07

 

戦闘機のスピードブレーキとドラッグシュート

 

新 F-2のスピンシュート
F-104のドラッグシュート 
F-4のドラッグシュート 

 

新 F-2B 63-8101のスピンシュート

 2019/12/07 tamaさんから

 スピンシュート本来の目的は 、回復不能な機動に(フラットスピン等の)に突入したさいに、スピンシュートを開き操縦可能な状態に戻す目的です。単純な失速状態からの回復のみではありません、特に危険で回復不能な機動(フラットスピン等の)からの回復を主眼とします。

 また 、スピンシュートの使用は、高度を十分に取り回復不能機動に入った場合使用されます。 低高度で開傘した場合には即墜落の恐れがあります。

F-2Bに取り付けられたスピンシュート   撮影2019/11/10 岐阜基地 山本晋介

 Fー2の場合スピンシュート取り付け可能なのは101号機のみで、スピンシュート取り付けのため機体後部の強化及びスピンシュート取り付けのための部品(フレーム前方垂直尾翼下部&スピードブレーキ前方。フレームを除く此の部分は機体側に恒久的に取り付け。映像の機体周囲を見ると、強化部分が見られます。)が機体に取り付けられています。

 取り付け は、通常のドラッグシュートを取り外し、ドラッグシュート取り付け部にカバーを取り付け(スピンシュート前方の垂直尾翼下方の白い部分がカバーです、通常のドラッグシュートより この部分が短くなってます。)また、スピンシュート本体を取り付けるためにトラスフレーム(トラスフレーム自体は取り外し可能)を付けています。

 トラスフレームに付いている黒い配線はスピンシュートを作動させるためのC4火薬(スピンシュート本体前方の銀色の部分に内蔵)発火のための配線です。

 またスピンシュートの確実な作動のため、レドーム内にスピンシュート用のバッテリーが増設されレーダーは取り外されています。飛行領域拡大の試験時はデータ取得のため、標準ピトー管(長いピトー管)を取り付ける事が多かったです。

 

F-104Jのスピードブレーキとドラッグシュート
 

スピードブレーキが開き、パイロットシュートが引き出された瞬間

千歳基地 撮影1980/03 CTSsuga 

スピードブレーキが開き、ドラッグシュートが全開

百里基地 撮影1969/03/20 飛行浪人    シュートの直径は小型102cm、大型488cm


スピードブレーキのシステム   G型、S型、NASAのNF-104Aの各資料から





スピードブレーキ スイッチ



ドラッグシュート 

ドラッグシュート ハンドル


三沢市大空の広場 撮影2007/08/31 にがうり


スピードブレーキ        

OUTの状態 日本文理大学 撮影2010/10/17 大石治男


スイッチ 浜松広報館 撮影2015/03/15 にがうり


ドラッグ シュート

格納パッケージが下方に開 き、蓋が下→に開く 日本文理大学 撮影2010/10/17 大石治男


ハンドルの位置  右は兵装制御パネル 浜松広報館 撮影2015/03/15 にがうり

 

F-4のドラッグシュート 
  F4

 2006年に那覇空港で撮った写真を思い出しました。着陸した第302飛行隊のF-4がF4がRW18のエンドから民間のエプロンの中を延々とドラッグシュートを引きながらホームベースへ帰って行きました。今となっては懐かしい思い出となりました。(2015/05/16記 Twinbeech)

 Fー4のドラッグシュートは本来は悪質な機動(スピン等)からの回復が主目的で、着陸時の制動は従目的です。海軍機型のFー4にドラッグシュートが付いて いるのは、悪質なスピンに入りやすい機体の回復(スピン時等の)を目的としています。

撮影2006/01/23 那覇基地 Twinbeech

 

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