前輪収納部の109.3LBSという
文字はバラストの重量を示します。
ここは、本来12.7ミリ機銃の銃座です。機銃を置かない代わりに機体調節のバラストが置かれ、それは古新聞の束であったり、いろいろなものを使っています。
定期修理の度に、機体は腐食や傷を研磨されたり、塗装前にパテ埋めをされて重量が変わるのでバラストで調整を取りますが、T-1では固定機銃の場所を拝借しているという訳です。
島田市初倉展示機 T-1A 25-5840 機銃座のバラスト 109.3ポンド
金沢展示機 T-1B
25-5857 機銃座のバラスト 72ポンド
防府北基地展示機 T-1A
15-5818 機銃座にバラストなし
島根県川本町展示機 T-1A
25-5846 機銃座のバラスト 131.9ポンド
奈良県王寺工業高校展示機 T-1B 35-5863 182.6ポンド
銃口について
世傑最終ページのインテリア・アレンジメント図には、機首の左舷側に12.7ミリ機銃(スペースのみと説明)が描いてありますが、右舷の間違いですね。2号機#802では、機銃のテストをしたとも聞いており、YS45さんが入間の稲荷山公園で展示中に撮った写真には銃口が写っています。
T-1A 85-5802 銃口(2号機のみ) YS45 |
2号機以外のT-1A/B |
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恐らく、これが唯一の例であり、他機はすべてふさいであるものと思いますし、したがって13飛行教育団でも機銃の訓練は無かったものと思います。
一朝事あれば、練習機といえども弾を積んで出撃ということがあるかもしれないのが非常時の軍隊ですから、その意味では平穏な生涯を終え
た飛行機でした。
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