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航空歴史館 |
掲載2017/06/19 |
新明和伊丹工場でコロコン作業のロッキードP-3
以下、いずれも新明和伊丹工場でいわゆるコロコン(Corrosion Control)作業を受けるために飛来したP-3A、Bです。
山内さんの解説によるコロコンについては、P-3の場合は、伊丹では塗装の剥離、再塗装はやっておらず、機体内の各パイプ類の洗浄やフィルターの交換や洗浄作業だったようです。そういえばいつも胴体下にドラム管やバケツと工具類がありました。 濱野博司P-3A 150512 VP-4 YD-9 撮影196706/30 濱野博司
P-3A 151364 VP-4 YD-7 撮影1967/06/27 濱野博司
P-3A 151379 VP-4 YD-4 撮影196706/20 濱野博司
P-3A 151386 VP-4 YD-2 撮影196706/17 濱野博司
P-3A 152154 VP-17 ZE-8 撮影1968/06/22 濱野博司
コロコン作業を終えたZE-8を迎えに来て、一緒に帰りました
P-3A 152159 VP-17 ZE-6 撮影1968/06/22 濱野博司
大阪国際空港へ来た初めてのB型 スモッグのためタキシングはひどい写真になりました。
P-3B 152733 VP-9 PD-3 撮影1966/03 濱野博司
P-3B 153431 VP-47 RD-5 撮影1968/03/06 濱野博司
P-3B 152754 VP-46 RC-10 撮影1970/03/20 濱野博司
向うのRC-11がコロコンを終えたRC-10をお迎えで、一緒に帰りました。
飛来目的不明のP-3A
P-3A 151382 VP-22 RC-10 撮影1970/04/13 濱野博司
P-3A 150511 VP-31 RP-12 撮影1970/01/14 濱野博司
P-3B RC-10 撮影1970/08/25 濱野博司 70EXPO参照
3年生 いわゆるコロコン(Corrosion Control)とは
山内秀樹
作業員仲間ではコロコンと呼ばれる防錆作業は、いろいろな段階があります。
哨戒機など海面上を低空飛行する機体(艦上機、艦載機、水上機、飛行艇等を含む)は、飛行中にも意外と海水の飛沫を浴びて、コックピット正面の窓が塩の結晶で真っ白になります。
完全に前が見えなくなるということは稀ですが、光の当たり具合ではレースのカーテンを引いたような不愉快な視界状況になります。
飛行中だと防氷液(エタノール等)を噴出してワイパーで取り除きますが、このことは機体全体が海水の飛沫を浴びている証拠です。
これを放置しますと、機体の金属部分の腐食が進むので、着陸後はエンジン内部を含めて淡水で塩分を洗い流します。
艦上機はなかなかその作業ができないので、厚木基地等に着陸させて淡水で水洗します。
先日も51空のP-3Cを詳細に見てきましたが、腐食があちこちに進んでいる機体があり、近いうちに補修しなければ・・・と言っていました。米海軍のP-3Cはもっと、ボロボロだそうです。
それで、新明和で行っていたコロコンは、
(1) すべての塗装を剥がす、
(2) すべての金属面を淡水で洗浄する、
(3) 飛行艇等艇体に海水が浸入することを覚悟している機体の底部には六価クロム(鼻中隔欠損という恐ろし公害をもたらすことで有名)を布袋に詰めて、浸入した海水にこれを溶かしてイオン化傾向に従ってアルミ合金の腐食を防止しますが、この布袋を交換します。
(4) 金属接合部にシーリング塗装をおこなう。
(5) 新しい塗装を施す。
というのが一般的だと思います。