R-HMの項で「現役の整備士・パイロットの目で見ますと、R-HMにも、R-53にも、細部において色々とあるのは確か」と書きながら、具体的な指摘が無いのでは無責任と思われても仕方がありませんので、ひとつだけ例をあげておきます。
復元されたR-53の機体に近づいて先ず思ったことは、「どのようにして乗り込むのだろう」というものでした。特に前席は、どう頑張っても、乗り込むことが出来そうにありません。
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その都度、脚立や踏み台と言うのもどうかと思いますし、不思議に思って展示されていた資料を見てみますと、「足掛け」の図面がありました。
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また、R-53の昔の写真を探してみましたら、前後席とも、足掛けが設置されていました。これならば、乗り込むことが出来ます。
撮影1954/09/27 大野芳希 (部分拡大)
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ごく当たり前のようなこのようなことが疑問に思われず、踏み台を用意することで片づけられてしまうところに、一抹の空しさを感じました。
ついでに言うなら、立川航空機株式会社の字体が異なっていることがお分かりかと思います。この辺も、昔の字体を忠実に再現するのが本来の姿というものでしょう。
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世界の航空機1955年5月号
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