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航空歴史館技術ノート

  

F-104J のレドームカラーについて

イガテック

 2025/05/03 

 鈴木康允さんから F-104Jの黒レドームの機体を取り上げてほしいと連絡があり写真も投稿頂きましたので纏めたページ開設です。

 「F86Dのレドームのところで  航空自衛隊 F-86D> 技術ノート1 レドームの変色  リンク 
 Tamaさんから
 Fー104Jのレドーム塗装の変更が有り、つや有り黒色に変更されています。Fー104Jは塗装の煩雑さ(以前は2色で塗装されていたため)を無くすのと、塗装の劣化によるレドームへの雨水侵入防止のためです
のコメントがあります。

 1980年頃、私が小松基地フェンス外例のゴミ焼き場で会った、マニア=話の内容から自衛隊員、それも担当はF104J、詳しく聞きました。
 F104Jのレドームから雨漏りをする、そこで補修をすると云うより、日本で、レドームを作り直した、プラスティック製で無塗装、相当数を制作した、と聴きました。
 チョット可笑しいのは、IRANで三菱〜小牧で目撃されているのにレポートが無い、部隊内で簡単に付け替えたと思われます。
 世界各国で使われたF104Gなども同様な筈ですがその記事が見当たりません。
 そこでF104J 黒レドーム版をやって欲しいです。」 鈴木康允

 下記に黒レドームが付いている機体を纏めました。(編)


黒レドーム機体

511号機 第207飛行隊 撮影1980/12/08 那覇基地 飛行浪人




539号機 第207飛行隊 撮影1985/11 千歳基地 CTSsuga




549号機 飛行開発実験団 撮影1982/10/17 岐阜基地 KUPANBA




553号機 沖縄県北谷町 撮影1984/07/01 KUPANBA   運用時はドーム通常色写真しかない



557号機 第207飛行隊 撮影1984/07/03 百里基地 飛行浪人




8558号機 立川分屯基地 第202飛行隊マークで展示
 
撮影2010/03/09 MAVERIC   運用時はドーム通常色写真しかないい


561号機 入間基地 46-8666と記入して展示 撮影2005/11/03 横川裕一
運用時はドーム通常色写真しかない



573号機 岐阜基地用途廃止機置場  撮影1983/10〜11
(第7回航空宇宙ショー期間中) 高田和彦



592号機 千歳基地 第203飛行隊 撮影1981/08 CTSsuga



600号機 名古屋空港 撮影1990/03/17  丹羽八十 



601号機 撮影1982/05 新田原基地 第204飛行隊  CTSsuga



603号機 春日基地 撮影2010/11/13 山本晋介


609号機 防衛大学校 第204飛行隊マーク (展示当初は207飛行隊マーク) 撮影2013/11/16 PAPPY



613号機 第203飛行隊 千歳基地 撮影1980/08 CTSsuga



634号機 第207飛行隊 AIM-9B訓練弾装備 那覇基地 撮影1984/10 イガテック



635号機 第207飛行隊 AIM-9B訓練弾装備 那覇基地 撮影1984/10 イガテック



第207飛行隊 千歳基地 撮影1981/05 CTSsuga



674号機 第207飛行隊 黒いレドーム 千歳基地 撮影1981/05 CTSsuga



697号機 新 撮影1980/10/30 築城基地  鈴木康允



698号機 第204飛行隊 撮影1984 築城基地 山崎正博



700号機 第207飛行隊 撮影1984/11 小松基地 CTSsuga



第207飛行隊 那覇基地 撮影1984/10 イガテック



506号機 第207飛行隊 空将座乗 撮影1984/11 小松基地 A-330



上記写真の通り現時点では
 F-104J  23機 内3機は用途廃止後の写真で運用時状態は不明確
 F-104DJ  1機
の結果でした。 
写真の撮影日を見ると1980年代になっています。 1980年以降交換となった機体が黒いままのレドームが取り付けられたものと推測されます。
 他の機体でも使用された可能性があるので 皆さんもアルバムを見返してみてはいかがでしょうか。
 写真は募集中です。

 余談ですがレドームの塗装とかかれた文章の書き方が多いですが レドームには DO NOT PAINT とはっきり書かれています。 どちらかというとコーティングというのが正しい表現でしょうか?
 下記の写真の機首はコーティングがゴム系なので熱が加わってしまうと柔らかくなって皴になったりずれたりした例です。 

 このドーム事例(F-104Jではありません)は下地は白色で 製造メーカーは BRUNSWICK CORP  という会社で船舶部品などを製造している会社でした。

 BRUNSWICK CORP の会社の歴史を調べて関係部分を抜き出してみると
  1855年からゴムの研究を開始
  1912年からタイヤ事業開始
  1941年 政府向け防衛装備品の契約を取得してボートや航空機胴体の製造などを開始
  1958年 航空機用プラスチック製構造体製造のPhilbrich & Strickland社を買収
 
 レドームに使用されている GFRP(Glass Fiber Reinforced Plastic、ガラス繊維を強化材料として使用した強化プラスチックの一種。非常に強度が高く、耐摩耗性や耐久性に優れているもの) など レドームを製造するための技術が揃っていますね。

 F-104Jのレドームは2種類の色でコーティングされていますが 他の機種のアンテナ部品など下記のように黒ではなく灰色などが使用されているものもあります。
 材質は判りませんが薄いもので擦ってしまうと下地が見えてきます。
 アンテナ1周で DO NOT PAINTと読めます。(警戒用アンテナと思われます)