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航空歴史館技術ノート 掲載10/06/18
追加10/
12/05

  
航空機のワイパーについて その2

その1
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その1へ 1-@ DC-8にはワイパーがない ほか
その2
このページ
2-@ いろいろな旅客機のワイパー
(関連)
 フレンドシップの雨樋
(関連)
 ボーイング737のエアステアの雨水排水
2-A ボーイング747のワイパーとウインドウッシャー液
2-B 右のワイパーが無いKC-135
  2-C YS-11の右窓の物体は何でしょう
参考 日本におけるダグラスDC-3 1951年以降の歴史 技術編(休載中)の記事から

 

2-C YS-11の右窓の物体は何でしょう

 有明佐賀空港公園に展示されているYS-11の副操縦席前の窓にワイパーと共に何か黒い物体が付いています。何でしょうか?

撮影2010/11/15 MAVERIC  インターネット航空雑誌ヒコーキジャーナルから転載

 

答え 雨滴除け固定フェンスです。 詳細は国産旅客機YS-11の歴史 [7] YS-11の技術] 参照
 

 

 

D いろいろな旅客機のワイパー  2010/06/21 戸田保紀 (いずれも東京国際空港、撮影年月日順)  


撮影1957/03 パンアメリカン航空のストラトクルーザー


撮影1959/03/27 日本航空 DC-7C JA6305 City of HongKong



撮影1965/05 全日空 ビッカースバイカウント828 JA8207


1966/11/01 全日空 フォッカーF27-244 フレンドシップ JA8622

   (関連)フレンドシップの雨樋  にばさん

 フレンドシップも雨が苦手な部分がありました。操縦席横ののスライディング・ウインドウの周囲からの雨漏れです。当初よりこれは避けられないと考えフォッカー社はスライディング・ウインドウの下に雨樋を設置。

  この水をパイプで胴体下部のドレンホール付近まで引いて機外に放出ていました。きれいに予定通り雨水が流れてくれればよいのですが、穴が詰まったり、で水が樋からあふれることがたまにありました。

 駐機中の機体でスライディング・ウインドウを閉め忘れて、雨が吹き込んだりしたこともあります。厄介なのは副操縦席のスライディング・ウインドウの下に水平に設置されたパネルがあり、そこに与圧システムの操作ノブや計器が取り付けてあり、雨水で故障の原因になることもありました。飛行機の中に雨樋があるのはフレンドシップだけだと思います。



1969/05/01 アエロフロート TU-114


撮影1969/05/19 全日空 ボーイング727-100 JA8321



撮影1969/08/19  全日空 ボーイングB737-200 JA8401

   (関連)ボーイング737のエアステアの雨水排水 にばさん

 ボーイング737は、前方のエアステア収納部下部にエアステアに付着した雨水を受けるパンがあり、パンにたまった水はフレンドシップと同様にパイプで胴体下部のドレンホール付近まで引いて機外に放出ていました。

 この穴がほこりでつまり、たまった雨水が上昇中に後方にあふれ電子機器にかかり、不具合を起こした事がありました。定時点検の点検項目にこの穴とパイプの清掃を追加した記憶があります。こういうことはメーカーではわからないことです。


 E ボーイング747のワイパーとウインドウッシャー液  2010/07/30 a/k/a飛行少年 6

 先日、出発前に時間があったので、整備の人に前窓掃除を頼んだのを口実にリフトに乗せて貰い、我がオンボロ747のワイパーとウッシャーの近撮をして来ましたので、ご覧下さい。


  

 ボーイング747は、電動でワイパーを作動させます。良く効きます。低速と高速で作動出来ますが、ぼくの経験からすれば高速で使った試しはありません。

   

 ウッシャー液は操縦室内左側、機長席後方の壁内にあり、覗き窓から液量を確認出来ます。
ウッシャー液とは別に水を弾く液体、自動車のレインXみたいなリペラント液も本来なら装備されていて、濡れた窓に吹き付けると視界が良くなるという効能でしたが、ぼくは一回も使った事無いほか、その液体、ボーイングの名称でレインボー (RainbowではなくRainboeと書きます) 
に発癌性の危険性があり、操縦室内にあるそのカートリッジが漏れる事例が何件かあったとの事で、今は大半取り外されています。






 F 右のワイパーが無いKC-135  撮影2010/07/24 百里基地 にがうり 7

おおらかなもんです。


 

 

                     参考 日本におけるダグラスDC-3 1951年以降の歴史 技術編(休載中)の記事から 

E ワイパー

A ワイパー Windshield Wiper
東京国際空港全日空整備場玄関のDC-3機首
 
 左右のワイパーとアルコールパイプ

米陸海軍整備マニュアル


 DC-3の場合は、タキシングや滑走中は勿論、運用高度の3000mくらいまでは雨雲もあ るので、飛行中も使用した。アルコールの吹き付は氷結防止のためで、下面から吹き出すと風圧で拡散されワイパーで平均に行き渡 らせる。

 ワイパーは油圧を動力源とし、コンバーターで左右往復運動へ変換 し、EとFのノブでワイパーの速度とアルコール吹き出しを制御する。

航空技術誌(2000年12月号)の表紙

アルコール吹出しパイプと思われるものを鼻先に取り付けているところが、いかにもアメリカ的な陽気さを感じるので、拝借させていただいた。

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