T-33A
の型式のレーダーリフレクターは殆ど運用されていないように思われます。
理由は、ロケット弾ポッドのRL7を改良したレーダーリフレクターが使用されていたためです。形状は先端をRL7ロケット弾ポッドの穴を塞ぐため円錐状に成形して、後部にリフレクターが内蔵されている赤い球状の物が付いてました。
T-2
の主翼内舷または外舷に左右対象で運用してました、外舷側運用が多く使われてました。
演習時のフェーカー(仮想敵機役)での運用が多く、内舷運用だと燃料タンク(演習時のフェーカーは滞空時間を増すため搭載)が付けられ無いため、外舷側での運用が多かったと思われます。
翼下の運用のため左右対象のレーダー反射(胴体の影響が無いよう)と、空力的対象のため左右に取り付けていました。
戸田保紀さん撮影のリフレクターはセンターパイロンに取り付いていますが、この写真は貴重な記録だと思います。私の在籍中は、格納庫に保管はされていましたが、運用事例は見たことがありません。運用されなくなったのは、新規製作では少数製作のため個数単価が高くつくのと、機体運用時の不具合があったのではないかと推測します。
また、RL7
ロケット弾ポッド改良型のリフレクターが採用されたのは、ロケット弾ポッドが当時運用されていたのと、ロケット弾ポッド搭載時の運用形態が確立されていたためと思います。
ロケット弾ポッド自体が殆ど使い捨て(19発搭載のLAU3は、1発射口につき3回まで発射可能。)のため量産効果による価格の低下、または使用済み品の再利用があったのではないかと推測します。
RL7
改良型のリフレクターは非常に軽量で、短距離の運搬だけなら一人でも可能でした。