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航空歴史館技術ノート

  

 

T-33Aの装備品-8 Tacanアンテナ

  1960年代千歳基地のTacan装備機の写真が珍しい理由

 

Tacanアンテナ  梯子

 T-33Aの供与機の一部、ノックダウン生産機と国産機の殆どの機体にTacanを装備しています。前脚柱の前にアンテナ(米軍機で機首上下面の2個)、ガンベイドアの中央にTacan機器冷却用のエアスクープ、後方上部に排気のスリットを設けています。

撮影1982/11/14 浜松基地 KUPANBA


撮影1994/10/02 百里基地 KUPANBA



Tacanアンテナとピトー管 撮影2017/04/04 島根県目田森林公園 佐伯邦昭


撮影1979//05/05 岩国航空基地 KUPANBA


撮影1960年代 千歳基地 提供Blue1


国産機の一部の機体にもTacan無装備があります。
撮影1985/08/12 三沢基地 KUPANBA

 ↓の写真が珍しい理由  2017/12/13 tamaさんから   珍しい理由

第2航空団第103飛行隊 撮影1960年代 千歳基地 提供Blue1

 まずT-33ATacan 装備機についてですが、1960年代の空自にTACAN装備され いる機体が珍しいです。また同時代のF-86Fの写真を見ていただけたら判ると思いますが、F-86Fも生産当初はTacan未装備で後に装備してます。(装備機は測距レーダーアンテナ後部機首上面にTacanアンテナがaります。)

 他のT-33Aの古い写真を見ていただけたら判ると思いますが、機体によっては1970年代まで(もしくは用途廃止まで)Tacan未装備機体が少なくありません。Tacanの装備は新規生産当初は無く、生産当初はADF(Auto-Direction Finder  自動方向探知機→AM 放送を利用していた。AMラジオ局は固定であるため、方位の基準になる。)が使用されていました。

 T-33AへのTacan装備は、TCTO(←期限付きTO 。今回の場合は、T-33AへのTacan搭載に伴う普通実施TCTO )によりIRAN時等により搭載されています。Tacanの使用は1955年のアメリカ採用が最初で、航空自衛隊及び日本独自のTacan局の設置はアメリカより遅れたと思われます。

 千歳基地は米軍駐留により、比較的早くTacanが配備され(冷戦時のソ連に対処するため?)、それに伴い空自のT-33ATacan装備機が最初期に配備されたのではと思われます。以上の理由により、珍しい写真だと思うのです。

 

 

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