HOME・SITEMAP 日替わりメモ ヒコーキマニア人生 録目次       TOP

掲載06/04/01
追加13/06/07

ヒコーキマニア人生録・図書室 

間違いだらけの説明板を正す対症療法

目 次

[] 最初の問題提起と解決策の提案
      1 間違いだらけの説明板が多いわけ
      2 間違いだらけの説明板を正すために
 
[]  新田原と美保のYS-11の例  
[]  陸上自衛隊信太山駐屯地の例  
[] 陸上自衛隊千僧駐屯地の例 更新14/05/19
[] 良い方の例 航空自衛隊府中基地  
[] 航空自衛隊千歳基地の例  
[] 陸上自衛隊北宇都宮駐屯地の例  
[] 航空自衛隊奈良基地幹部候補生学校の例  
[] 同じ敷地内での対比  
[10] 航空自衛隊那覇基地の例  
[11] どの世代を対象とした説明か 所沢航空発祥記念館  
[12] 海上自衛隊ビーチクラフトJRB-4の表示 掲載14/02/04
別記 航空自衛隊小松基地のF-86F説明板の疑問  
別記 陸上自衛隊大津駐屯地のF-86Dの無責任な説明板  

 

[1 2]  海上自衛隊ビーチクラフトJRB-4の表示  12

鹿屋と下総の説明板

海上自衛隊鹿屋航空基地史料館                        海上自衛隊下総航空基地
 

(ア) まず「SNB」なる表示が間違いであることは、航空歴史館技術ノートに詳しく論じてあります。正しくは「JRB-4」とすべきです。

 下総の「SNB型」は、当時海上自衛隊で呼びならわされていた名前を表示したのであろうと想像されます。

 鹿屋の「SNB-4」は、根拠不明で「JRB-4」の「4」を「SNB」にくっつけたに過ぎないようです。

(イ) 鹿屋のデタラメ表示

 「高 約8.90(m)」 → 「高 約2.8(m)」 

 (製造会社名)米国ダグラス社航空機社 → 米国ビーチクラフト航空機株式会社

            


[付] 自衛隊航空機ALL CATALOG 文林堂イラストレイテッド108 

   121ページのタイトル
   

 解説の中に「海自名称はSNB-5」と書いてありますが、その理由に触れていないので、ヒコーキ雲から航空ファン編集部に質問を送りました。

(ア) 質問

 ヒコーキ雲ではイラストレイテッド108を尊重して-5で統一していますので、-5説の根拠を教えて貰うとありがたいです。

(イ) 航空ファンからの回答 (2014/02/03受信)

 お尋ねのイラストレイテッドNo.108内のSNBの型式についてですが、明記の通り機体解説を担当された松崎豊一氏、機体番号を担当された佐藤正孝氏の調査・考証によるものという以外、編集部としてはお答えのしようがありません。宜しくお願いいたします。

佐伯から : 松崎豊一氏と佐藤正孝氏がこれを見ていたらお答えを願いたいです。 因みに、佐藤正孝氏はJAPANESE MILITARY AIRCRAFT SERIALS 2007/2008では「SNB-4」と表記しており、この本とは違う見方をしています。

 なお、同書の諸元中、「全幅15.1m」とありますが、その他の資料では上の説明板と同じ「14.5m」以外には見当たりませんので、わずか60pほどの違いではありますが、併せてその根拠を知りたいです。

        

 

 

[11]  どの世代を対象とした説明か 所沢航空発祥記念館 11

所沢航空発祥記念館 本館展示の説明板  撮影2010/03/09 A-3304より

 説明板は、諸元数値はよく調査されていますが、概要説明にどの年代の人を対象にしているのか中途半端な印象を受けるなど不可解な点があります。例えば、川崎KAL-2の説明
  
 

 連絡、引込、審査にルビが振ってありますので、その漢字が読めない世代を相手にしているらしいですが、それなら岐阜、脚、前輪などにもルビが必要なように思うし、全体文意から判断すると「連絡」の漢字がが読めない世代ではなく、高校生か少なくとも大学生以上の大人を対象としているように感じられます。 そのあたりの意図が不可解です。

 また、余分かもしれませんが川崎航空機の岐阜工場で「組み立てられた」戦後初の本格的国産機”KAL-I”という表現は、各務原の人にはカチンと来るのではないですかね。戦後初の本格的国産機というのなら、土井技師を中心に心血を注いで設計から製造まで行った歴史が薄れてしまわないように「開発された」等の表現がより適切だと思うのです。
 KAL-1をKAL-I、KAL-2をKAL-IIとするのもちょっと異様ですが、川重や自衛隊がそう表記していたのなら仕方がありません。

 いずれにしても、博物館の説明板ですから、歴史科学は厳密に、表記は正確に、分かり易くをモットーにして貰いたいものです。


 ルビが消された 2013/06/07

 撮影2013/05/28
  連絡、引込、審査に振ってあったルビが消されています。当然の処置です。しかし、「組み立てられた」の表現は変わっていないし、「川崎KAL-II」の表示も相変わらず奇妙です。川崎重工業航空宇宙カンパニーのホームページでも「KAL−1連絡機初飛行」というように算用数字のを使っているのですから、なぜIIにこだわるのか理解できません。

  
 

 

 

[10]  航空自衛隊那覇基地の例    10

2009年にF-4EJ改の前に、立派な台座と金属パネルで説明板が設けられました。

 しかし、左の第302飛行隊の説明板が美しく丁寧に作成されているのに対して、右のF-4EJ改戦闘機の説明板は、なぜ細かいところまで神経を行き届かせなかったのかと疑問を感じる日本語になっています。

F-4EJ改戦闘機の説明板
 別名:ファントム(幽霊)で間違いではないにしても、正しくは愛称:ファントムUであり、(幽霊)は、日本人として(妖怪)と訳す方が適切なのですが、敢て訳す必要もなかったように思います。
です体(敬体)とである体(常体)が混用されている理由がわかりません。下のF-104J戦闘機の説明板は統一されています。


F-4の説明板に合わせて、他の展示機のものも同じ構造で作り替えられました。
F-104J戦闘機の説明板

です体(敬体)で統一されています。
 別名:栄光は、できれば愛称:栄光の方がいいし、外国ではStarfigterで通ります。

TOP

 

[9]  同じ敷地内での対比  9

陸上自衛隊東立川駐屯地と航空自衛隊立川分屯基地の説明板

 陸上自衛隊東立川駐屯地には、航空自衛隊立川分屯基地ほか防衛研究本部や空自中央音楽隊などが同居していて、正門にずらっと並ぶ表札には驚かされます。C-1が入れるような大きな建物があり、MAVERICさんが案内の広報隊員に尋ねてもよく分からないとの返事だったそうですが、航空医学実験隊が耐Gなどを研究している施設などではないかと考えられます。 

 例によって、ヒコーキそのものよりも関係する人間の態様に興味をもつ佐伯の感想ですが、OH-6Dの説明板とF-104J、T-33A説明板を比較してみて、陸自は懇切丁寧、機内を見学したい者は広報班へ連絡せよと内線番号まで書いてありますが、空自の方はいとも簡単な記述で終わり‥ 同じ敷地内にあっても組織が違えば考え方も違う‥ 当り前とはいいながら、航空の専門である航空自衛隊の人間が誰ひとりこの矛盾に気が付かない、たかが展示機、たかが説明板にすぎないと考えているおごりがあるのか‥ 
 陸自に対して恥ずかしくないのかなあ‥

TOP

 

[8] 航空自衛隊奈良基地幹部候補生学校の例
   8
旧説明板  KUPANBA 新説明板 撮影2008/05/24  KUPANBA



 
日替わりメモ2008/05/30から転記

○ 説明板 重箱の隅つつきではありますが‥

 航空自衛隊幹部候補生学校(奈良基地)の説明板が一新されました。要目寸法の欄と文章説明の欄を分け、解説も各機種の航空自衛隊での歴史を簡潔的確に述べています。候補生たちにその機体の時代背景を併せて概略理解させようという工夫がなされています。

 デザインもすっきりしました。と言えば良いことずくめのようですが、ここまで神経を使ったのに、何故こんな手抜きが?と首をかしげたくなる「重箱の隅」が見えるのが情けないです。暇のある方は表記や数値などの変化をチェックしてみてください。

 とりあえず、佐伯流重箱の隅つつきをいくつかあげておきます。

・ 寸法を下2桁まで書いたもの、下2桁を切り捨てたもの、下2桁を四捨五入したものがあります。
  
たった7枚の説明板で、何故統一できないのでしょうか?

・ F-86FとF-86Dはジェット戦闘機、F-104Jは要撃戦闘機という表記です。
  86Dも要撃戦闘機であり、104Jもジェット戦闘機ですが、この幼稚な分類の意図が理解できません。

・ エンジン・推力の欄で、
     F-86D  ターボジェット(アフターバーナー付) 3,400kg 
     F-104J  ターボジェット 
7,170kg
 とありますが、マルヨンはアフターバーナー付エンジンではなかった?
 いえいえ、
7,170kgはアフターバーナー使用時の最大推力なのですよ。

 まあ、重箱の隅ですから、見る人の大勢には影響しないですけれども、蟻の一穴が堤防の決壊を招くように、基地の業務には不祥事発生の巣ができつつあるのかもしれません。

 原案を作った隊員やそれを決済した幹部が、全体を通してチェックし正確を期すという程度の資質がないとはいえません。将来の幹部自衛官や幕僚を育てる学校ですから内務班にも優秀な人材を揃えているでしょう。この程度のミスや不揃いが分からぬ訳がありません。

 しかし、決裁から発注と検収(納入時の検査)時においても見て見ぬふりをしていたとすれば‥‥  ああ、これ以上は言いますまい。

TOP

 

 

[7] 陸上自衛隊 北宇都宮駐屯地の例   7

 あまりでかい看板にするのも格好わるいですから、せいぜい1メートル四方くらいの中に如何に要領よく文字を入れるかというセンスの問題です。 幼稚な書き方だと笑われないように。

 それぞれの問題点は、写真の横にメモしておきました。その中で、一連の流れというか、表示の統一性の中に、なぜこのようにと首をかしげたくなるものが見られます。

UH-1B   製作会社  (米)ベル 富士重工
T-34  製作会社  ビーチクラフト社(米) 富士重工
TH-55J  製作会社  日本飛行機
OH-6J  製作会社  ( 米)ヒューズ 川崎重工
F-86F  製作会社  ノースアメリカン社(米) 三菱重工 

 TH-55Jの日本飛行機というのは論外として、(米)が前へ来たり後ろへ来たり、社があったりなかったり、この程度のバランスがなぜとれないのでしょうか。悪く言えば幼稚です。陸上自衛隊航空の技術者を育てる教育機関であるだけに、一分の隙もないように努力した跡を国民に見せてほしいものです。重箱の隅をつつかれないように! 

◎ ビーチクラフトT-34A 60506


ついでのことならT-34Aと正式名称にしてほしい
    
               
◎ 富士ベルUH-1B 41571

 HU-1Bで間違いではないが、正式には平成4年以降UH-1Bに変更されている。また、平成6年までに全機退役しているけど。
 これにも(ひよどり)という名前があったよな。

◎ ヒューズTH-55J 61335

平成7年に全機退役ですよ
日飛TH-55Jというのか?
製作会社はOH-6Jと同じように(米)ヒューズでは?

◎ 川崎ヒューズOH-6J 31115

自重の公称は538kgでは?

◎ ノースアメリカンF-86F-40 92-7883

最大速度の公称は、マッハ0.95では?

OH-6Jは(米)ヒューズとなっているが、86Fの書き方(米)三菱重工で三菱が米社みたいだ。
ノースアメリカンだけに「社」をつける特別の意味があるのかな?

TOP

 

[6] 航空自衛隊千歳基地航空祭の例    6

@ 陸自と空自で異なる説明 MAVERIC
 

 OH-6Dの前に2枚の説明板が並べられました。 左が陸自・右が空自が準備したそうです。 陸自隊員に2つの表の諸元・性能が違うと聞いたところ、「右は航空自衛隊が作ったもんで‥」と言っていました。

拡 大
    

佐伯から :  製造会社名以下、ものすごい違いというほか言葉がありません。特に空自作成の方の乗員5名には唖然とします。作成した責任者とふたつを観衆の前に並べて展示させた責任者に情状酌量の余地なしではありませんか。陸自隊員は勇気をもって千歳基地側に撤去または修整を求めるべきでした。


A ビーチクラフトの製造会社名  OKUBO

 今年展示されたビーチクラフト系のLC-90、LR-2、B350(海保)の案内板に、昨年まではレイセオン・ビーチクラフトと書かれていましたが、今年は、ホーカー・ビーチクラフトと親会社が名乗りをあげています。製造時には何の係わりもないし、ビーチクラフトのブランド名は継続しているはずです。ホーカーを書く必要はないと思いますが。

佐伯から関連して : F-104Jの説明板の製造会社名ロッキード・マーチンも如何なものでしょうか。その会社は確かに15年くらい前に出来ていますが、マルヨン時代のロッキードにはマーチンは関係ないです。新しい飛行機と同格に並べているのだからというパロディのつもりですか?
 マーチンといえばB-26やP5Mなどを想起する世代としては、どうしてもケチを付けたくなります。隼の説明に製造会社富士重工業と書くようなもんではないかと!

 来年の千歳航空祭には、担当幹部が隅々まで気を配って展示の準備を行われますよう要望いたします。

TOP


 

[5] 良い方の例 府中基地    5

○ 府中基地の展示機説明板

  三菱F-1の前に立てられている説明板には、開発が防衛庁技術研究本部となっており、三菱重工業は主契約会社です。これが最も正しい表示なのだと思います。

 左欄の寸法諸元も右欄の解説も適切です。文句の付けようがない説明板として推奨いたします。さすが航空自衛隊の心臓部を受け持つ府中基地です。願わくは、全部隊に敷衍(ふえん)させて頂きたいものです。

TOP

 

4

[4] 陸上自衛隊 千僧駐屯地の例

2010/05/23

 下記の指摘を受けたからだと思いますが、説明板が更新されました。それは結構なことと思いますが、陸上自衛隊公式ホームページ装備品の丸写しをするのなら、その通りにすればいいのに、異なった数字(赤字部分)があります。これはどう解釈すればいいのでしょうか?

OH-6D 撮影2010/04/15  gundamzaku 防衛省・陸上自衛隊ホームページ|装備|航空機 OH-6D
乗員 1人(P)+3人
■ 機体
全長 9.40m(胴7.09m)
全幅 8.05m(スキッド幅 2.07m
全高 2.73m
ローター直径 8.05m(5枚)
製作 川崎重工
■ エンジン
名称 250-C20B
出力 375SHP(離昇)×1
製作 米国ロールスロイス・アリソン社
最大離陸重量 1.361kg
最高速度 281km/h
巡航速度 約240km/h
航続距離 460km
実用上昇限度  4,877m

 

2009/05/20

 千僧駐屯地の展示機が川崎ヒューズOH-6のJ型から、D型に変えられました。傍らの説明板を見てください。機名のJを消しただけで、あとはJ型時代のままです。ここの司令は「国民にはJ型とD型の区別などつかないのさ、これで誤魔化しておけ」と考えているに違いありません。

OH-6J 撮影2005/04/10   KUPANBA OH-6D 撮影2009/05/17  gundamzaku

 JからDへの改良によって諸元・性能の数字は乗員数を除いてすべてが変わりましたが、もっとも悲しいのは、子どもが見ても5枚とわかるローターが、そのまま4枚とされていることです。マクドネ レダグラス社というのも悲しき表現であり、D型は輸入には関係なく川崎重工の国産表示だけでいいのです。

TOP

 

[3] 陸上自衛隊信太山駐屯地の例   3

 信太山駐屯地における説明板を対比してみました。ほぼ、陸上自衛隊公式ホームページに準拠して作成してあるようですが、データの取捨選択、表記、数字の違い等が目立つ箇所があります。同じ隊内にある以上は、どれを見てもデータは同じというのが基本になるのではないでしょうか。すくなくとも常設展示の説明板を正しく整備されるよう要望します。

OH-6D

  陸上自衛隊公式ホームページ 信太山駐屯地記念行事
の説明板
第3飛行隊作製の諸元表
信太山へ持ち込み
信太山駐屯地常設展示
説明板
   
名称 観測ヘリコプター 略称 OH-6D 観測・偵察ヘリコプター OH-6D OH-6D
使用目的 偵察・連絡
OH-6D
乗員 1人(P)+3人 ナシ 4人 1名(パイロット)+3名
型式 ナシ ナシ ヒューズ500  
全長 9.30m(胴7.23m) 9.30m(胴7.23m) ナシ 9.30m(胴7.23m)
全幅 8.05m(スキッド幅 2.06m) 8.05m(スキッド幅 2.06m) ナシ 8.05m(スキッド幅 2.06m)
全高 2.73m 2.73m ナシ 2.73m
ローター直径 8.05m(5枚) 8.05m ナシ ナシ
搭載燃料 ナシ ナシ 323リットル ナシ
制作 川崎重工 川崎重工 ナシ ナシ
エンジン
名称・出力
250-C20B
375SHP(離昇)×1
250-C20B
375SHP(離昇)×1
420HP 375SHP(離昇)
同制作 米国ロールスロイスアリソン社 米国ロールスロイスアリソン社 ナシ ナシ
最大全備重量 1,361kg ナシ 1361kg 1361kg
巡航速度 約240km/h 239km/h ナシ ナシ
最大速度 282km/h 282km/h 281km 282km/h
実用上昇限度 4,481m 4,481m 約3200メートル ナシ
航続距離 約430km ナシ 約644km ナシ

UH-1J

  陸上自衛隊公式ホームページ 信太山駐屯地記念行事
の説明板
第3飛行隊作製の諸元表
信太山へ持ち込み
信太山駐屯地常設展示
説明板
   

 

名称 多用途ヘリコプター
略称UH-1J 愛称ヒューイ
UH-1J
(多用途ヘリコプター)
UH-1J
使用目的 多用途ヘリコプター
UH-1J
乗員 2人+11人 2+11人 2+11人 2名(パイロット)+11名
型式 ナシ ナシ ベル205改良  
全長 17.44m 17.44m ナシ 17.44m
全幅 14.69m(シンクロないズドエレベーター幅2.86m) 14.69m(シンクロないズドエレベーター幅2.86m) ナシ 14.69m
全高 3.97m(メインローター及びテールローター水平時) 3.97m(メインローター及びテールローター水平時) ナシ 3.97m
ローター直径 14.59m 14.69m ナシ ナシ
搭載燃料 ナシ ナシ 850リットル ナシ
制作 富士重工 富士重工 ナシ ナシ
エンジン
名称・出力
T53-K-703
1,134SHP(連続)×1
T53-k-703
1,134SHP(連続)×1
1485HP 1,400HP(離昇)
同制作 川崎重工 川崎重工 ナシ ナシ
最大全備重量 約4,763kg 4,763kg ナシ 4,309kg
巡航速度 約240km ナシ ナシ ナシ
最大速度 ナシ 240km/h 234km/h 215km/h
実用上昇限度 約5,334m(最大全備重量時) 5,334m(最大全備重量時) ナシ ナシ
航続距離 約460km 約460km 約650km ナシ

 

[2] 新田原航空祭と美保航空祭のYS-11の例 2

新田原基地 403SQYS-11Pの説明板
美保基地 403SQYS-11Pの説明板

1  製作会社(製造会社)は、日本航空機製造株式会社の「製造株式会社」を省略したつもりでしょうが、略すなら「日航製」もしくは「日航製造(株)」が一般に通用 している名詞です。

2  エンジン形式欄のターボプロップ・エンジンは、エンジンの種類です。型式というのならロールスロイス ダートMk.542を書くべきで す。

3  諸元については正確なデータを持ち合わせないので控えますが、重量、最大速度、上昇限度で、両基地に極端な開きがあるのは何故でしょうか。


日替わりメモ2009/12/08

○  言いたくはありませんが‥

  誇るべき国産機であるYS-11の前に立てられた説明板の「幼稚」な記述のことです。佐伯は5年前の新田原航空祭へ行った時に気付いていたのですが、去年の航空祭でもやはり同じものが立てられているのを知りました。美保基地も同じ。小さなことでもいつまでも放置されていると我慢ができなくなります。幼稚かどうかは見る人によって違うので決めつけはしませんが、YS-11の要員或いは説明板を管理する隊員が1人として気付かない、或いは気付いても改めないという怠慢についてです。
 言いたくはありませんが、敢えて両基地の司令に申し上げておきます。民間機総退役の頃から国民的人気となったYS-11ですから、ゲゲゲの鬼太郎で人々を喜ばすだけでなく、機体本来の説明にも十分に気を遣って頂きたいと。

○ 続 言いたくはありませんが‥    Fさんからメール

 上記意見と、間違いだらけの説明板を正す対症療法に同感です。確かにデータについて私も何度か疑問を持ったことがあります。隊員の方、と言っても、およそ飛行機のことに詳しいとは思えぬ方に聞いてはみましたが、やはりまともな応えは無理でした。ひどい時など、これは一応機密事項ですから・・・ なんて言われたことがあります。 へぇー、航空雑誌にはゴマンと書いてあるのに。

 航空自衛隊員と言ってもパイロットや整備士ばかりではないので、無理もないのですが、一般的な解説くらい出来る人を配置して欲しいですね。
 米軍の場合、あっけらかんとしたもので、つたない英語で聞いても即座に答えてくれたという経験が多いです。もっとも彼らは皆パイロットか航空要員でしたが。

 マニアの活用法、各自衛隊の、そのような部署、航空協会などの活用方法は、まさに佐伯さんのおっしゃるとおりです。日本の航空文化を高める必要がありますね。

TOP

 

[1] 最初の問題提起と解決策の提案 2006/04/01  1

            誤 ⇒正
自衛隊の例 神町駐屯地 撮影2004/04/25  伊藤憲一

F86Dセイバージェット戦闘機 ⇒ F-86Dジェット戦闘機 
(愛称をつけるならセイバードッグとすべきだろう)

98機使用 ⇒ 122機使用

ロケット弾28発 ⇒ ロケット弾24発
機関砲12.7mm6門   ⇒ (F-86Dに機関砲は無い)
 

 


民間の例 北海道秩父別町公園
 撮影2002/08/09 TRON

F80(月光) ⇒ F-86D(月光)
 

エンジン T45GE-17D ⇒ J47-GE-27
推力3,350kg/h    ⇒ (/hは不要)
 

夜でも攻撃機として ⇒ 夜でも要(迎)撃機として

 意地悪なようですが、上記が必ずしも特殊というわけではなく、たまたま目に付いたので代表してご登場願いました。ヒコーキ雲内でたびたび取り上げているこのような説明板の不備について、その解決策を考えてみたいと思うのです。

 

1 間違いだらけの説明板が多いわけ

 まずは、何ゆえに説明板に上のようなでたらめが多いのか、私は次のように見ています。

@ 自衛隊においては、航空機の諸元や来歴を一括して管理する部署がなく、各基地の担当が勝手に調べて説明を作成していること。また、必ずしも航空機や航空史に精通した隊員が扱っているわけではないこと。

A 自治体や民間施設では、貸与の時に自衛隊に任せっきりで独自にチェックしないし、また、チェックできる人材もいないこと。

B 公的博物館の学芸員は、自然科学や人文科学分野で資格を取った人たちであり、航空に関する知識が著しく不足しているし、人員も少なくて、一般にはどうせ飛行機のことはわかるまいという舐めた態度で扱っていること。

根本に横たわる問題点

 この、一般にはどうせ飛行機のことはわかるまいという舐めた態度こそが、日本文化の中での航空のレベルを如実に現わしています。

 いまや、世界の輸送手段の中で最先端をきっている航空でありながら、展示機の説明板に限らず、学校の教科書から、一般の書籍から、テレビなどマスメディアから、わが国における現状はどこを見てもマニアをして切歯扼腕させる風景ばかりです。

 その原因は、第二次大戦後ただちに復興に取り掛かった鉄道や自動車や船舶と違って、航空が戦争犯罪人のごとく全面禁止されたことを、左翼の連中にずっと引きずられてきて、航空が安寧な国民生活を妨害する凶器みたいな潜在意識を植え付けてしまっているところにあると私は思っています。

 航空人の側にも、趣味は飛行機ですというと、何かしら変な顔をされるのではないかという意識があるのも事実です。内に対しては大きな顔をしていらっしゃるが、外に対してはどうも及び腰で、中途半端な対応しかできていないというのも、どうも潜在意識に毒されているような気がします。

 日本軍用機を展示しておいて、平和を考えろという無理を強いている自治体施設が複数ありますが、航空人の側から、平和テーゼも大切だが、同時に先人の貴重な産業遺産としての足跡をもっと教えるべきではないのかと抗議した形跡はございません。

 ナショナルミュージアムであるべき国立科学博物館のあの貧弱な航空コーナーをはじめとして自衛隊を含む官公立施設における航空歴史の現状に、危機感を抱いて直接噛み付いているのは、今のところインターネット航空雑誌ヒコーキ雲だけしかないなんて寂しい話しです。

 

2 間違いだらけの説明板を正すために

基本的には

 国民の潜在意識を変えるには、基本的には学校教育から変えていくしかありません。

 以前、総合学習で航空100年の課外授業をしたときに、小中高の教科書を当たった結果、航空科学や航空史がいかに冷遇されているかを知って愕然とした経験を書きました。これは教育行政の偏向そのものであります。

 この際、日本の官僚に大きな影響力を持つ東京大学の先生あたりから強力に働きかけてもらいましょう。年に何冊も本を出している航空学科の某先生も1冊くらいは文部官僚向けの啓発をやられたら如何ですかね。航空雑誌も、義務教育における航空についてといったテーマで長期キャンペーンをはるというのは如何でしょうか。

対症療法として

 間違いだらけの説明板を正すための対症療法を考えてみます。設置者の個性や予算によって、説明板の形式や内容にさまざまな種類が現れるのは当然であり、むしろその方が好ましいといえますが、航空機固有名詞・諸元・来歴が個性にまかされてはいけません。

@ 自衛隊内の展示機

 航空自衛隊は浜松に広報館をもち、入間に本格的資料館を建設します。海上自衛隊は鹿屋に航空史料館を持っています。陸上自衛隊は練馬に広報館があります。これらの施設が、自館の維持管理とともに、全国の自衛隊機展示に関して管制塔の役目をもつようにしたらいいと思います。

 まずは自衛隊機全機種の諸元と来歴を調査して、航空機固有名詞・諸元・来歴の標準を作り、各展示施設にデータを提供することです。

A 博物館や公園などの展示機

 まず、博物館や公園などの自衛隊機については、@に準じて自衛隊から各管理者に標準データを提供し、それに基づいて説明板を作成してもらいます。民間機や大戦機については、メーカーや運行会社の資料からより正しいものを求めていくほかありませんが、問題は、人員と予算不足対策でしょう。それを次に考えます。

B ボランティアの援助

 最近、某航空博物館へ質問を出しましたら、館外にいる関係者から、人員などのしわ寄せが博物館へもろに押し寄せてきて、学芸員は一般からの質問は電話応答に手一杯で、電子メールに答える余裕がないので、理解してやってほしいとの忠告がありました。

 実際、壊れた人形の接着方法を教えろなどという電話が掛かってきて、バカヤローと返すこともできず、接着材料を調べるだけで1時間も取られたという学芸員泣かせが頻繁に起きているそうです。

 バカヤローと返してはいけませんが、何もかも応答してやるというのが博物館サービスではありません。丁重に訳を話してお断りする勇気とセンスが必要でしょう。

 が、ともあれ学芸員がお忙しいことは確かであり、いわんや、航空の専門素養を身に付けた人が少ないとなれば、彼らに間違いだらけの説明板を見直せという方が無理です。

 そこで、ボランティアを活用してください。成田の航空科学博物館の土曜日午後の航空教室でボランティアが手作りの機材を改良しながら、説明に工夫をこらして教えている好例があります。

 現に、トップに掲げた写真のように明らかな間違いを発見できる立場に最も近いのは、いわゆるヒコーキマニアです。これを活用しない手はないでしょう。

 事と次第によっては、専門家はだしの知識や資料を保有するマニアがそこらじゅうに居るのです。皆さん、間違いだらけの説明板を見て見ぬ振りをするのはやめましょう。お節介と思われても何でも、間違いは間違いとして申し入れるべきです。

C ボランティアの窓口統一

 ただし、相手は役所の公園部局、教育委員会、博物館など多肢にわたりますし、プライドの高いお役人の敷居は低くないです。直ちに対応してくれるところもあれば、呉のように見下ろすところもあります。また、個人の申し入れが必ずしも客観性あるものとして扱われるとは限りません。

 そこで、提案ですが、たとえば日本航空協会あたりに窓口を設けて、間違いだらけの説明板の写真と意見を受け付け、チェックして、各展示責任者のところへ申し入れるという案は如何でしょう。

 日本航空協会さんは、正しい航空思想の普及活動をしておられるものと思います。博物館や公園などにある展示機は、常時目に触れる航空思想普及品です。そこに間違いだらけの説明板があっても、協会には関係なしとうそぶかれることは、よもやありますまい。

 如何でしょうか。多分、話はわかるが人手が無いので無理だと答えるでしょうね。

 航空ジャーナリスト協会というのもあります。3月末に大挙して呉と岩国を訪問されたそうですが、呉零戦の前ではどういう感想をもたれましたか。それはともかく正しい航空思想の普及のために一肌脱ぐお気持ちはありませんか。

 どこもだめなら、依然としてインターネット航空雑誌ヒコーキ雲が各管理者に噛み付くほかなさそうです。これまで、噛み付きが効を奏した事例がいくつもあることは、常連閲覧者ならご存知です。

 内に対して大きな顔をすると同時に、外に対しても是々非々で主張すべきは主張する、国民に悪しき潜在意識が浸透している病気の対症療法として、私見を綴りました。

 

TOP