HOME・SITEMAP 日替わりメモ   滋賀県目次  零式艦上戦闘機総目次

 

 2015/07県議会で取り上げられた
 

A5212-1 滋賀県東近江市尻無町 特別養護老人ホーム・玉園ハイム前
              Higasiomi City,
Shiga Prefecture 

◎ 特別養護老人ホーム・玉園ハイムの零戦 撮影2005/08/14   KUPANBA

 東近江市の零戦を見に行ってきました。想像した以上にひどい出来です。素人の板金細工といったところでしょうか。 プロペラは疾風のもののようです。







日替わりメモ2005/08/29

中日新聞は次のように報じています。

 零戦は東近江市に建設が予定されている平和祈念館への寄贈が決まり、13日の贈呈式を前に一般公開された。戦後60年を経て再び雄姿を見せた零戦に、見学した市民は驚きの声を上げた。山田さんは「零戦の展示で、子どもたちに戦争の悲惨さ、無益さ、命の貴さなど正しい歴史が伝えられると思う」と話していた。

 「雄姿」と呼ぶにはあまりにも拙劣な工作で、零戦設計者や制作者あるいは搭乗者たちを著しく冒涜するものです。戦争の悲惨さを伝えるのなら修復前の姿でみせるのならともかく、このようなでたらめな物体(その意味で悲惨である)で「正しい歴史を伝えられる」ことはなく、むしろ日本の科学技術の継承に有害であるとさえ思います。

 このような考えを滋賀県 知事へ伝えたところ、懇切な回答がきました

 平素は、滋賀県行政の推進について、格別のご理解ご協力を賜りありがとうございます。また、このたびは、「知事への手紙」を頂戴しましてありがとうございます。

 メールは知事も拝見しておりますが、担当課からの回答とさせていただきますことでご容赦願います。

 さて、このたび県民の方から県に寄贈の申し出のありました戦闘機について、ご意見ご提言をいただきありがとうございました。

 ご指摘のありましたとおり、この戦闘機は、当時の零戦の実物そのものではなく、実物の零戦をベースに戦後種々加工改修等されたものであると寄贈者から伺っており、このことは県も承知しているほか、寄贈者から各報道機関に説明されているところであります。また、そもそもベースとなっている戦闘機は、 零戦とは無関係であるのではないかとのご指摘もいただいております。

 滋賀県では、戦争の悲惨さと平和の尊さを伝える施設として、平和祈念館(仮称)の建設を計画しており、これまでに県民の方々から1万点を超える戦争の惨禍を物語る資料や当時の生活を伝える品々をご寄贈いただいているほか、戦争体験談の聞き取り調査などを実施しております。

 このたびの戦闘機の寄贈者は、戦争の惨禍と平和の尊さを広く県民に知ってもらいたいとの熱い思いをもって、県に寄贈を申し出られたものであり、この思いを大事にしたいと考えているところであります。

 平和祈念館での展示につきましては、現時点では展示の基本設計に着手していないため具体的に申し上げちれませんが、まずはこの戦闘機の来歴や改修の程度などを専門家のご意見などを伺いながら調査したいと考えております。

 これからも、お気づきのことがございましたら、お聞かせください。佐伯様のご健康とご活躍をお祈りします。

 平成17年8月23日

                                  滋賀県健康福祉部健康福祉政策課
                                  平和・援護担当 担当者(城野)

                   電話077−528−3514

県では、バーチャル平和祈念館(ホームページ)を開設しております。ご覧いただければ幸いです。http:/www.Prefectureshiga.jp/heiwa/

 

回答に接して : 3点について申し上げます。

@ 滋賀県では、寄贈された零戦モドキの物体について、零式戦闘機とは呼べないものであることを承知しておられるとのことで、安心しました。しかも、今後の扱いについては、この機体の来歴や改修の程度などを専門家の意見を聞きながら「調査する」とのことですですので、少なくとも素人の板金細工みたいなぶざまな姿で展示されることは避けられるようです。なお、呉零のように公表もできない得体の知れない業者に改修を委ねることがないようにお願いいたします。

A 平和祈念館(仮称)については、城野さんが紹介されているバーチャル平和祈念館を閲覧しました。滋賀県民の戦争体験を具体的な資料で展示し、戦争と平和について考えて貰おうという構想ですが、その中で零戦がどういう位置を占めるのか大変にむつかしい問題だと思います。熟慮が必要かと老婆心ながら申し上げておきます。呉大和ミュージアムの場合は、大和を建造した技術が戦後の平和産業にいかに貢献したか、つまり、戦争が技術力を高める原動力だという点に力点が置いてあります。ですから、大和模型を見て 格好いいという見物人であふれるわけです。

B 滋賀県知事さんには、私の「知事への手紙メール」を読んでいただき、その指示で適切な内容のお答えを頂いたことに感謝します。最近では埼玉県知事からも直接返事をいただきましたが、忙しい中で他県からのメールにも目を通して正面から対応されることに常に市民の目線で行政を執行しようという意欲を感じます。


 以上ですが、どうしても大和ミュージアムに関する疑義及び広島県A6420に綴ってきた呉市の対応と比較せざるを得ません。実は、この滋賀県からの回答書コピーを呉市秘書課へ送って市長さんに見てもらうようお願いし、感想を求めましたが、例によって無視されています。

 無視というよりも、捏造歴史の公式表明を今更取り消すこともできないし、私に対する不誠実な対応を謝るのも腹立たしいというレベルで、事を内緒にしてしまおうということのように思われます。こんなのは一昔前の公務員スタイルであり、同じ県に住む者として情けなく恥ずかしいです。

小規模板工房

新 2015/07/05 小規模板工房さんから


 上記の大変に出来の悪い特別養護老人ホーム・玉園ハイムの零戦について、寄贈を受けた
はずの滋賀県平和祈念館がオープンしたにも関わらず、昨今の零戦ブーム期間にも続報が一切ない点について数年前から疑問に思い周囲にも話していたところ、知人より読売新聞に記 事が出たと知らせてきました。
 なんとも情けない話ですが、ちゃんとした調査が行われ、しかるべき保存がなされるよう願っています。できれば機体の残骸と疾風のペラだけでも来歴調査と展示ができるといいのですが。

2015/07/03付け読売新聞 

 戦闘機10年お蔵入り…展示予算、当面はゼロ?

 10年前、県民から県に寄贈された戦闘機が解体され、倉庫に保管されたままになっていることが、2日の滋賀県議会一般質問で明らかになった。

 「平和を考えるシンボルに」と県平和祈念館(東近江市)での展示を求める県議に対し、三日月知事は「鑑定に多額の費用がかかる」と、当面、展示は難しいとの認識を示した。

 県健康福祉政策課によると、戦闘機は全長約8・5メートル、両翼約11メートル。戦没者遺族が県外から購入し、2005年8月、当時建設が計画されていた同館で零式艦上戦闘機(零戦)として展示してもらおうと、県に寄贈した。

 しかし、「来歴など正確な情報が不明」として、県は12年の同館開館後も展示せず、東近江市に借りた倉庫で解体して保管。調査や展示は、数百万から数千万円が見込まれるとして見送っている。現在の倉庫は老朽化により改修が必要で、同市が別の場所での保管を求めているという。

 一般質問では、木沢成人県議(良知会)が「展示の要望が戦没者遺族らから出ている」と指摘。三日月知事は「展示の経費や場所の課題もあり、活用は慎重に検討したい」と述べるにとどめた。(小野圭二郎)

2015年07月03日 11時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun