戦闘機10年お蔵入り…展示予算、当面はゼロ?
10年前、県民から県に寄贈された戦闘機が解体され、倉庫に保管されたままになっていることが、2日の滋賀県議会一般質問で明らかになった。
「平和を考えるシンボルに」と県平和祈念館(東近江市)での展示を求める県議に対し、三日月知事は「鑑定に多額の費用がかかる」と、当面、展示は難しいとの認識を示した。
県健康福祉政策課によると、戦闘機は全長約8・5メートル、両翼約11メートル。戦没者遺族が県外から購入し、2005年8月、当時建設が計画されていた同館で零式艦上戦闘機(零戦)として展示してもらおうと、県に寄贈した。
しかし、「来歴など正確な情報が不明」として、県は12年の同館開館後も展示せず、東近江市に借りた倉庫で解体して保管。調査や展示は、数百万から数千万円が見込まれるとして見送っている。現在の倉庫は老朽化により改修が必要で、同市が別の場所での保管を求めているという。
一般質問では、木沢成人県議(良知会)が「展示の要望が戦没者遺族らから出ている」と指摘。三日月知事は「展示の経費や場所の課題もあり、活用は慎重に検討したい」と述べるにとどめた。(小野圭二郎)
2015年07月03日 11時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun