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航空歴史館技術ノート

  

T-33Aにまつわる技術、エピソードなど

T-33Aの装備品  @ チャフディスペンサー  
T-33Aの装備品  A バゲージポッド(トラベラーポッド)
T-33Aの装備品  B  レーダーリフレクター
T-33Aの装備品  C お腹のドーム
T-33Aの装備品  D F-104用の高速標的機のテスト
T-33Aの装備品  E ヨーストリンガー(偏揺れ指示糸
T-33Aの装備品  F 乗降梯子(ladder)
T-33Aの防眩( つや消し)塗装について  番外 翼端タンクの外側蛍光塗装の変り種

 

  

 

T-33Aの装備品-1 チャフディスペンサー    1

 
AN/ALE−2 チャフディスペンサー

南西航空混成団 第207飛行隊  (F-104J時代) 撮影1985/10 千歳基地 CTSsuga

第6航空団 第306飛行隊 (F-4EJ時代) 撮影1987/06/05 小松基地 KUPANBA


西部航空方面隊司令部支援飛行隊 撮影1993/11/28 築城基地  興野博史
チャフディスペンサーポッド取り付けの両パイロンを残したままの姿

西部航空方面隊司令部支援飛行隊  空将補座乗 撮影1993 築城基地 興野博史

 

 

 

 
T-33Aの装備品-2 バゲージポッド(トラベラーポッド) 2
 

バゲージポッド(トラベラーポッド 通称弁当箱)   バゲージ

第5航空団第202飛行隊 (F-15J時代) 撮影1992/05/05  岩国航空基地 古谷眞之助


最大積載量 45kg の表示  71-5279のバゲージポッド 撮影1993/11/28 KUPANBA


OLD CAR CENTER  第6航空団第306飛行隊 71-5305のバゲージポッド 撮影2016/10/10 KUPANBA


○ T-33Aの(吊下)装備品 バゲージ ポッド

・  そのカタチを横から見ていて、米海軍機が吊るしている砲弾型と同じかと思っていたのですが、古谷さんのショットにびっくりです。
 飛行浪人さんたちは弁当箱と呼んでいたそうです。うまい表現ですね。どういう訳か後ろがつぶれていますが、そんなところから昔懐かしいアルミの弁当箱を思い出します。

・ アルミの弁当箱の思い出

 ‥‥使っているうちにあちこちへこんだり、傷ついたり、腐食で黒ずんできたり、蓋が湯呑の代用に‥‥  
 そんな弁当箱ですが、敗戦前は1週間に一回は、おかず無し梅干し一つの日の丸弁当の日、そして、敗戦後は赤飯かと思いきや高粱飯(満州での話)だったり、米より麦の方が多かったり、石を噛んで痛い思いをしたり、でも、腹がへっていれば平気でしたね。クラスの皆がそうでしたから。


トラポ(トラベルポッド)の思い出 tamaさんから

 バッゲージポッドを現役時代はトラベルポッドまたは略してトラポと呼んでいました。

 航空自衛隊では、正規メーカー品は殆ど使用してないと思われます。理由は初期の空自は予算が無いため新規購入が出来ず、在日米軍使用のトラポを借用し 、分解して部品毎の型を取り作製したとの話を先輩から聞いています。空自の補給処か各部隊の修理隊工作小隊が図面を基に作っていたようです。

 出来上がったトラポ(コピー品、悪く言えばパクリ品)はオリジナルの米軍使用品より出来が良かったそうです。

 また、トラポの取り付け位置は、JATO(離陸補助の使い捨てロケット)の取り付け位置(JATO hook と呼んでました)です。上の写真で、トラポ後方が凹んでいるのは、取り付け時に前方hook のロックが上手くいかずに蹴って凹んだものと思われます。私も蹴って取り付けたことがあります。
 
 トラポの内容積は結構大きく、T-2のドラッグシュート(30×30×60cm 位、F4やF2のように固くはないので若干変形させて)なら2個入れても余裕がありました。笑い話ですが、要務でT-33A で他基地に行く際に新兵さんにある先輩が冗談で「ドラッグシュート積んどけよ」と言ったところ、新兵さん悩んでトラポに積んでしまい、受け入れ先の外来機班から「T-2 のドラッグシュートが入ってますが?」と質問の電話があり、「すみません、そのまま送り返して下さい。」てなやり取りもありました。


続 トラポ(トラベルポッド)の思い出  tamaさんから

 掲載されているトラポの取り付け状態ですが、上の写真は運用中の写真なので正規取り付け状態ですが、下の写真は映像が潰れているので推測ですが、前方のhook しか付いていないように思われます。

 またトラポ蓋の分割部分上方に、機体からの燃料ドレンのL字型の金属チューブが付いてますが、そのままではトラポの開口部に燃料が被るので、トラポのドレンチューブに接続していました。

 下の写真の306SQ文字の左にパッチ3個でトラポ側のドレンチューブが付いてます。

 写真のドレンチューブは真下に流すようにしてますが、私の部隊のトラポはトラポ尾端に流れるように長く取りついてました。

 

別件です。

 JATO (離陸補助)のシステム自体は空自では使用してないと思いますが、JATOシステムを利用してバンナーターゲットを運用していました。機体下部にターゲット牽引の器材を取り付け、JATO システムはターゲット牽引ワイヤーの切断投棄に使うわけです。

 バンナーターゲットは、T-33A 退役後はT4で運用され、各部隊で運用していましたが、デルマーやダート等のターゲットが普及してからは、4空団での教育訓練ぐらいしか使っていないと思います。

 

 

 

T-33Aの装備品-3 レーダーリフレクター   3
レーダーリフレクター     ステルス機にも装備





61-5201 実験航空隊 KE7400 GATポッド
 撮影1974 入間基地 飛行浪人

              
 
空自のT−33引退記念写真集によると”KE7400 GAT”とありました。私が見たのは入間で1回だけ、実空でのみ運用試験?していたようで他部隊の機体では見かけませんでした。ECM関連ではないかと想像しますが、詳細は不明です。(飛行浪人)

81-5376 総隊司令部飛行隊 撮影1980/03/28 入間 基地 山本晋介

            

 

 参考  T-2の例 世界の傑作機 三菱T-2 P56  撮影1977/04 戸田保紀 (航空ファン転載許可済み) 

撮影1977/04 戸田保紀
 レドーム

2016/11/07 tamaさんから

 T-33A の型式のレーダーリフレクターは殆ど運用されていないように思われます。

 理由は、ロケット弾ポッドのRL7を改良したレーダーリフレクターが使用されていたためです。形状は先端をRL7ロケット弾ポッドの穴を塞ぐため円錐状に成形して、後部にリフレクターが内蔵されている赤い球状の物が付いてました。

 T-2 の主翼内舷または外舷に左右対象で運用してました、外舷側運用が多く使われてました。

 演習時のフェーカー(仮想敵機役)での運用が多く、内舷運用だと燃料タンク(演習時のフェーカーは滞空時間を増すため搭載)が付けられ無いため、外舷側での運用が多かったと思われます。

 翼下の運用のため左右対象のレーダー反射(胴体の影響が無いよう)と、空力的対象のため左右に取り付けていました。

 戸田保紀さん撮影のリフレクターはセンターパイロンに取り付いていますが、この写真は貴重な記録だと思います私の在籍中は、格納庫に保管はされていましたが、運用事例は見たことがありません。運用されなくなったのは、新規製作では少数製作のため個数単価が高くつくのと、機体運用時の不具合があったのではないかと推測します。

 また、RL7 ロケット弾ポッド改良型のリフレクターが採用されたのは、ロケット弾ポッドが当時運用されていたのと、ロケット弾ポッド搭載時の運用形態が確立されていたためと思います。

 ロケット弾ポッド自体が殆ど使い捨て(19発搭載のLAU3は、1発射口につき3回まで発射可能。)のため量産効果による価格の低下、または使用済み品の再利用があったのではないかと推測します。

 RL7 改良型のリフレクターは非常に軽量で、短距離の運搬だけなら一人でも可能でした。

 

2016/11/09 /tabiさんから

  最新鋭機でも頻繁に使用されています。無論、使用目的は昔とは違い、平常時にステルス機がレーダーわざと映るように使っています。

 あまりいい写真がなかったのですが、F-22はお腹にアレイ状のパーツを付けています。F-35は垂直尾翼前方とお腹に各2箇所設置できるようです。




 

 

 

 

 

T-33Aの装備品-4  質問 お腹のドーム?  4
お腹のドーム

 ドームの用途についてお尋ねします。この機体は石川県航空プラザの展示機になっていますが、ドームの痕跡はないそうです。 

航空実験団 撮影1980/06/01 岐阜基地 チャーリーマイク


航空実験団 撮影1984/11/02  入間基地 山本晋介

レーダーリフレクターと共用

航空実験団 撮影1986/11/27 築城基地 チャーリーマイク

カメラ搭載か? 撮影1988/08/01 岐阜基地 TR

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T-33Aの装備品-5  F-104用の高速標的機のテスト  5

 

実験航空隊 航空情報1964年5月号



 

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T-33Aの装備品-6 乗降梯子 LADDER

 

 

乗降梯子(ladder)   梯子

 T-33Aの乗降は、左側に掛けてある梯子(ladder)を用いますが、梯子が右側にある写真或いは両側の写真があります。それらを集めてみました。

地上におかれた梯子 機体の右側にも梯子が見える  撮影1959 松島基地 戸田保紀


71-5287 左右両掛け 第8飛行隊 撮影1967/05/21 岩国航空基地  佐伯邦昭 

 1967年の岩国航空基地三軍記念日に展示されたもので、梯子を左右に掛けています。整備か何かの都合というよりも、両方に 掛けた姿を見せる目的であったように感じられます。


71-5310 右掛け 総隊司令部飛行隊 撮影1989/11/26 新田原基地 TR

 新田原基地航空祭の展示です。


81-5356 右掛け 第3航空団第8飛行隊 撮影1980/09/07 三沢基地 KUPANBA

 右側に掛けたままで牽引しています。しっかりと胴体に固定されている様子が伺われます。


81-5381 右掛け 第4航空団第7飛行隊 撮影1959 松島基地 戸田保紀

81-5381 右掛け 81-5399  左掛け


米軍T.O.1T-33A-21973-1-1改訂版 )の図 提供jetjun

 TOではCautionにあるように、ラダーは左側のみとなっていますが、跳ね上げ式キャノピーを装備している機体では、メンテ上及び地上員とパイロットとのコミュニケーション上、両側にラダーを掛けるケースが多々あるようです。


 ATTACH LADDER HERE はしご掛け位置
61-5221    撮影 かかみがはら航空宇宙科学博物館ボランティア小山澄人 


               クローズアップ
             


 71-5258に見るはしご掛け位置と実際

はしご掛けの黒マーク 撮影 KUPANBA

実際 撮影 チャーリーマイク

 


参考

梯子を使って体験搭乗か  撮影1985/11/17 浜松基地 KUPANBA

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