HOME ヒコーキマニア人生 録目次国産旅客機YS-11の歴史総目次
掲載15/06/04開始
《旅行記》
エアロラ ボYS-11内覧会報告と武蔵野よろめき紀行
その1 序と4月12日の写真
その2 2015年5月24日 東京国際空港整備場の エアロラボYS-11内覧会
2-1 13時30分 場内のN462ALを観察
2-2 14時 天空橋駅に集合し、歩いて場内へ
2-3 Nレジの取替え作業
2-4 日本航空大学校の表示
2-5 主脚ダウンロック表示
2-6 操縦室 と備え付けの書類
2-7 機内あれこれと感想 APUガス排出口の写真を追加
その3 2015年5月24日 横浜みなとみらいギャラリー We love Air Transport展その4 2015年5月25日 調布飛行場 Propeller Cafe 武蔵野の森公園
2015年5月25日 府中市 Propeller Kitchen、 Caffe bar Aeroportoその 5 2015年5月26日 福生市 FUSSA BASE SIDE STREET ベルハンドクラブ
2015年5月26日 昭島市 フォレスト イン 昭和館 ラウンジ ダコタ付録 ベルハンドクラブのパイパー PA-46 JA4060が調布飛行場南の住宅街に墜落
序
株式会社aerolab international(通称エアロラ ボ)が、元航空局の飛行検査機JA8709を復元するに当って、少しばかり寄付をしたご縁で東京国際空港での内覧会に招待されました。
久しぶりの東京への旅で、この機会にお世話になっている方々にもお会いしてと思いましたが、開催の知らせが急だったもので連絡等の余裕が無く、とりあえずの上京となりました。
本番のYS-11内覧会ではたっぷりと見学ができましたが、そのあとの行動は、予定も何も無くまさに思いつきよろめき紀行でした。以下その一端を書き残しておきます。
久しぶりに生きたYS-11に触れました 5月24日 羽田整備場 撮影HAWK
主翼に寄付者名表示 撮影HAWK
ニュースフラッシュ206から転記
元飛行検査機YS-11JA8709がN462ALとして生まれ変わ った撮影2015/04/12(日) 東京国際空港整備地区 ハロースクエア
12日、英国航空の特別塗装機「Great Festival of Creativity in Shanghai」がBA007便で羽田へ飛来という情報を入手したので、羽田へ撮影に出かけたのですが、帰り道に天空橋付近の環状8号線を走行中にYSの姿を見かけました。
スクラップ寸前の航空局YS-11(JA8709)を助け出して、フライアブルにする整備を行っているエアロラボインターナショナル社の塗装に変わった姿です。N462ALというレジもしっかりもらったピカピカの姿を見ることができました。本当に飛びそうです。
ずっと羽田で野ざらしになっていた姿を見ていただけに、飛べるのかしらと?マーク付きで注目していたのですが、着実に整備作業は進捗しているようですね。
参考 FAA Aircraft Description
Serial Number
2084
Manufacturer Name
NIHON
Model
YS-11A
Type Aircraft
Fixed Wing Multi-Engine
Type Registration
Individual
Status
Valid
Certificate Issue Date
02/19/2015
Expiration Date
02/28/2018
Type Engine
Turbo-prop
Registered Owner Name
NICKRAVESH NIKAM J
Registered Owner City
SAN JOSE
Registered Owner County
SANTA CLARA
Registered Owner State
CALIFORNIA
株式会社aerolab international CEO 鼓呂雲 健造
Nレジ取得にあたり、カリフォルニア州サンジョエ市を定置場とするために、同社のアメリカ人整備士をオーナーとして登録したものです。
その2 2015年5月24日 東京国際空港整備場の エアロラボYS-11 N462AL内覧会 その2 13時30分 場内のN462ALを観察
環八通り天空橋交差点から整備場を見る
振り返って東京モノレール天空橋駅を見る
邪魔なフェンス越しに
14時 天空橋駅に集合し、歩いて場内へ
エアロラボ社の越島さんが用意してくれた東京国際空港ビジターIDカードを、入り口のガードマンが機器で読み取り
Nレジの取替え作業
左胴体後部のNナンバーは、FAA検査員からサイズ変更を指示され、取り外したところでした
これではN462ALが小さいのでアウト 撮影2015/04/12 ハロースクエア
05/24 14:26の状態 書体が太過ぎるのでアウト
FAA検査員(向かって左)が抱えているのが新しいNナンバー貼り付け用フイルム 中央が鼓呂雲健造社長
05/24 14:57 フイルム張替え作業開始
05/24 15:06 ようやくセーフ その他の項目は既に検査済みでした 笑っているのが検査員
検査はFAA職員ではなく、検査資格を取得している民間人(弁護士)であり、エアロラボ社は日当を支払いました
日本航空大学校の表示
日本航空大学校から器具等の支援を受けたので、車輪カバーに表示して感謝を表わしました
主脚ダウンロック表示
国産旅客機YS-11の歴史〔5〕YS-11の技術を参照してください
後部座席窓から
開かれた非常扉から
2-6 操縦室 と備え付けの書類
お役所といえども最後は神仏頼み エアロラボ社も引き継ぎました
航空法
第58条 航空機の使用者は、航空日誌を備えなければならない。
第59条 航空機(国土交通省令で定める航空機を除く。)には、左に掲げる書類を備え付けなければ、これを航空の用に供してはならない。1 航空機登録証明書2 耐空証明書3 航空日誌4 運用限界等指定書
5 飛行規程
6 航空図
7 運行規程
日本エアシステムのマニュアルを使っていた
2-7 機内あれこれと感想
運行責任者席? 機長の後ろ
副操縦者席の後ろ
各計測員席
↑の計器盤に貼ってあるシール
歴代飛行検査機
後部座席
座席下の救命胴衣
ギャレー
便所
後部隔壁前のAPU室
APUガス排出口 撮影HAWK
懐かしいです!
14時31分 客室扉と非常扉を開け放していた時のキャビン温度
万一に備えて
内覧会に参加しての感想
内外を自由に見させてくれたエアロラボ社に感謝します。わずか1時間ちょっとの見学でしたが、久しぶりにYS-11を堪能しました。旅客用構造とは違うので、可能なら、航空局のOBさんが来て各計測機器やコックピット機器の特徴などを説明してくれ、かつ、せめてエンジン音でも聞くことができたらより満足でした。
・ 航空局の嫌がらせ
24日当日の説明では、航空局から立ち退きを強く迫られているので、全国の飛行場に頼んでいるが、例えば、エアロラボ本社のある八尾飛行場は、誘導路がYSの規格に合わないのでダメというように技術的な障害もありますが、多くは、理由不明で断られているということで、やっと高松空港事務所が受け入れをOKしてくれたのでした。そして、27日に羽田で初のテスト飛行を行い、その結果によって28日に高松へ飛ぶ予定でした。ところが、aerolabのフェイスブックによると、6時間に及ぶ航空局との協議の結論が、27日にテストを兼ねていきなり高松へ飛べ、しかも、展望デッキからは写せないDランから離陸という、もう嫌がらせとしか思えない押し付けになったのでした。
27日は、マスコミに公表されたのでニュースで報道され、youtubeでも操縦席内部のカメラによる実況などで、羽田〜高松の模様を詳しく知ることができます。東京スカイツリーを旋回したり、八尾のローパスや高松空港への見事なランディングなど感慨ひとしおのものがあります。
・ 日本人として恥ずかしい
その反面、日本の航空局で手続きしていたら複雑かつ時間もかかるというので、FAAに申請してAircraft Descriptionを取得し、その検査員を日当会社持ちで来日させたという国辱ものの扱いや、復元作業以後、航空局が全く協力しないのみか羽田からの立ち退きをせかしたりする対応、各地の空港事務所が非協力の態度を取ったことなど、腹に据えかねます。更には、YS-11と関わりが非常に大きく、YS無しには歴史が語りえないANA、JAL、三菱など航空関係各社の協力の姿が全く見えてこないのも情けないです。
自作機扱いとはいえ、日本の航空産業の自立の証しであるYS-11の復活に対して、あらゆる分野から暖かい目が向けられるように期待して、内覧会レポを終わります。
その3 2015年5月24日 横浜みなとみらいギャラリー We love Air Transport展へ続く