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大量輸送時代を切り拓いたボーイング747 ジャンボの回顧
成田空港2タミの地下で行われていた企画展のスナップをにばさんから頂いたのですが、30枚に及ぶパネル展示を読みましたら、時代背景と747の企画、開発の新機軸、各発展型の姿等々、ボーイング社の資料に基いてとてもうまくまとめてあります。ただ、失礼ながら、通りすがりに見る人たちの中で、これを詳しく読んでいった人が何人いるか、例えば、美術展で、初めに掲げてある挨拶や解説パネルなどをじっくり読んでいく人が殆んど見られないというのと同じことで、主催者のご苦労ほどには意図する効果が上がっていないのではないかと考えます。
ならば、インターネット航空雑誌ヒコーキ雲で永久保存してあげましょうと航空科学博物館に申し入れ、パネルの版下写真を送って頂きました。
内容は、中学生でも熱心な子供なら理解できるレベルにまとめてあるのではないかと思いますが、何よりも高度な知識も含めでジャンボの全体像を手軽に抑えることができます。よってボーイング747読本として格好の参考書にした次第です。
3日の日替わりメモに、加藤寛一郎氏の著書の中で「ボーイング色に染まっている日本人にエアバスの技術が如何に優れているかを口を極めて説得している」と書きました。なるほど、エアバスはボーイング747よりも旅客数などで40%も上回る380を開発したので、氏も満足でありましょう。しかし、380は、ジャンボが開発してきた超大型旅客機の技術にも乗っているのではありませんか。
ジャンボは、旅客機の基本概念(形状、重量、推力、揚力、材料、巨大工場から空港施設まで)を変えてしまった飛行機です。その時、ヨーロッパではコンコルドに望みをつないでいましたが、ボーイングは同時に大量輸送時代の到来を予測して747を開発し、間もなく超音速機の夢は捨ててしまいました。いちはやく747に飛びついたパンアメリカン航空も先見の明がありました。
さて、とどまるところを知らない旅客機技術のこれからの展開は如何なことに相なりますやら。ついていくためにもボーイング747読本で基本を抑えておきましょう。
快く資料の提供に応じてくださった航空科学博物館にお礼を申し上げます。